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ドラフト2日後に盛岡で熱戦開幕 明治神宮野球大会出場を懸けた東北“頂上決戦”の見どころ

ドラフト2日後に盛岡で熱戦開幕 明治神宮野球大会出場を懸けた東北“頂上決戦”の見どころ

10月24、25日、きたぎんボールパーク(盛岡市)で第57回明治神宮野球大会出場を懸けた東北地区大学野球代表決定戦が開催される。富士大(北東北大学野球連盟優勝)、青森大(北東北大学野球連盟準優勝)、仙台大(仙台六大学野球連盟優勝)、東日本国際大(南東北大学野球連盟優勝)の4校が激突し、頂点に立った1校が出場権を獲得する。

投手力ピカイチの富士大

1回戦の注目カードは、全国屈指の好投手を擁する富士大と仙台大の対決。両者は2年前の同大会決勝でも対戦しており、当時は麦谷祐介(現・オリックス)ら6人がドラフト指名を受けたばかりだった富士大が2-1で仙台大を下した。

富士大のエースは最速153キロ右腕の角田楓斗(4年=東奥義塾)。22日のプロ野球ドラフト会議ではオリックスから1位指名を受けた。今年のリーグ戦は春秋連続で最優秀選手賞に輝き、大学日本代表でも活躍した。

世代トップクラスの実力を誇る角田

投手陣は来秋ドラフト候補に挙がる古堅鈴之輔(3年=読谷)、細野龍之介(3年=札幌新陽)、伊知地晴(3年=旭川志峯)らも控えており、1回戦を突破すれば優勝が見えてくる。先発もロングリリーフも可能な中山雄仁郎(2年=九州学院)の起用法にも注目だ。

打線も活発で、今秋のリーグ戦はチーム打率が3割を超えた。牽引するのは赤瀬健心(4年=下関国際)、洞口優人(4年=仙台育英)の4年生コンビで、打力が増した正捕手の梅村団(1年=山梨学院)ら下級生も頼もしい。今秋4番に定着した園田健翔(3年=北陵)や右の長距離砲・ウメビンユオチネード優(3年=旭川志峯)には一発の期待もかかる。

2年前の雪辱期す仙台大

対する仙台大のエースは最速152キロ左腕の大城海翔(3年=滋賀学園)。今年のリーグ戦は春秋ともに防御率0点台をマークし、秋の東北福祉大戦では9回14奪三振無四球完封勝利をやってのけて優勝に大きく貢献した。また大学日本代表にも選出され、アメリカの強打者を翻弄。2年前の決勝で1年生ながら富士大の強力打線を9回途中2失点と抑え込んだ左腕が、進化を見せつける。

大城以外の先発陣は不安要素が残るが、ブルペンは強力。150キロ超の速球を誇る田中稜真(2年=旭川実)、長身右腕の原田祐人(3年=東播磨)、怪我から復帰した奈須優輝(2年=日大東北)らで細かくつなげばそう簡単には攻略できない。オリックスから育成2位指名を受けた捕手・井尻琉斗(4年=北海)の存在も大きい。

すでに来秋ドラフトの上位候補に名前が挙がる大城

野手陣の目玉は、今秋最優秀選手賞、最多打点賞(14打点)、最多本塁打賞(4本)、ベストナインの個人4冠に輝いた正遊撃手・新保玖和(3年=霞ヶ浦)。中日でプレーする兄・茉良に負けない守備力と長打力を併せ持つ。

他にも各学年にキーマンがおり、4年生では内藤侑弥(4年=常葉大菊川)のバットに期待したい。大学ラストシーズンにようやくレギュラーを奪取すると、今秋は3本塁打を放った。1年生も重要な戦力で、中でも吉澤咲人(1年=関東学園大付)は1年目からリーグ戦で春秋計34安打をマーク。今秋は最多盗塁賞とベストナインを獲得した。

強力打線誇る東日本国際大

仙台大と富士大の勝者は、決勝で東日本国際大と青森大の勝者と対戦する。東日本国際大は今秋、今春から加盟した新潟医療福祉大を退け、11季連続のリーグ優勝を果たした。

相手チームにとって脅威になるのが得点力の高い打線。ロッテからドラフト4位指名を受けた左の好打者・黒田義信(4年=九州国際大付)は今秋も健在だ。打率.426をマークした黒田を含む計7人が3割超の打率を残した。

1年時から打線を引っ張ってきた黒田

3年生以下にも有望株が名を連ねている。右の強打者・中村アラシュ(2年=聖望学園)は打率.372、4本塁打、17打点の好成績で最優秀選手賞、打点王、本塁打王、ベストナインの個人4冠を獲得。正捕手の柴晴蒼(3年=明秀日立)は中村に次ぐ2本塁打を放っており、攻守にわたって中心を担う。

投手陣では、森川晟(3年=大宮東)が急成長。今秋は先発、中継ぎの両方で役割を果たして8試合に登板し、リーグ最多タイの5勝を挙げた。最速148キロ左腕の岡本琉奨(2年=八戸学院光星)、長身右腕の菊池統磨(1年=青森山田)ら下級生も着実に経験を積んでおり、あらゆる継投パターンが想定される。

「下剋上」狙う青森大

リーグ戦準優勝の青森大は1回戦で連勝しなければ決勝に進めない。DeNAからドラフト4位指名を受けたエース・小金井凌生(4年=日体大荏原)が肘を痛めているのが気がかりだが、小金井以外にも斉藤主眞(4年=北星学園大付)、小原昇羽(3年=平塚学園)ら試合を作れる投手が揃っているため、勝ち進む可能性は十分にある。

小金井は今秋、角田を抑えて最優秀防御率賞とベストナインに輝いた。斉藤も盛岡大戦で9回1失点、富士大戦で5回無失点と好投するなど好調で、中継ぎでも持ち味を発揮できる。徐々に先発としての信頼度が増している小原は来秋ドラフトに向け注目度が高まる左腕だ。

打撃力に一段と磨きがかかった今井

打線はリードオフマンの今井大輔(3年=横浜創学館)が成長著しい。1年秋からレギュラーに座り続けた川満真(4年=糸満)、今秋4割超の打率を残した主将・勝浦皓己(4年=北海)ら中軸がいかに好機を生かせるかが攻撃の鍵を握る。チーム内競争を活性化させている篠原世凪(1年=帯広三条)、田中健太(1年=横浜商)ら1年生の爆発力にも期待したい。

3年前に富士大がリーグ戦準優勝から代表権を掴み、昨年は仙台六大学野球連盟準優勝だった東北学院大が初戦でコールド勝ちを収めるなど、準優勝チームの快進撃も見もの。青森大が「下剋上」を起こすことはできるか、注目だ。

(取材・文・写真 川浪康太郎)

読売新聞記者を経て2022年春からフリーに転身。東北のアマチュア野球を中心に取材している。福岡出身仙台在住。

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