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東京サンロッカーズが始動 ブランド刷新とドラフト1位・山﨑一渉加入で迎える新時代 “東京を代表するカルチャーへ”

日本のバスケットボール界が「B.LEAGUE PREMIER(Bプレミア)」という最高峰のステージに向けて大きな転換期を迎える中、サンロッカーズ渋谷は大きな決断をした。

それは1935年の創設から紡いできた歴史の継承と、これまでの枠組みを大きく飛び越える挑戦への意志だった。

(取材 / 文:白石怜平)

クラブ名に“東京”を冠し、ビジョンらも刷新

今回のリブランディングにおける最大のトピックが、2016年のBリーグ開幕以来、ファンに親しまれてきた「サンロッカーズ渋谷」の名称変更である。

7月1日から発足した新たなクラブ名は「東京サンロッカーズ」

1935年に創設され、Bリーグ発足から10年間は青山学院記念館をホームに渋谷とともに歩んできた日本最古のバスケットボールクラブは、歴史を受け継ぎながらBプレミアを見据えてクラブの存在意義そのものを再定義した。

その最も象徴的な変化がクラブ名の変更だった。

今季からホームアリーナが「TOYOTA ARENA TOKYO」へ、ホームタウンも江東区へと移る。その中でも、10年間にわたり渋谷で育んできた熱狂や積み重ねた伝統を背負いながら、クラブの価値を“東京全体”へと拡張していく決意の表れが、この新しいクラブ名に込められている。

株式会社サンロッカーズの神田康範社長は、このリブランディングの背景を「東京を代表するカルチャーになりたい」と語る。

新たなクラブ名を発表した神田康範社長

その実現に向けて選手やファン、社員、そしてセガサミーグループといった多くの関係者と約1年半にわたって議論を重ね、「何を残し、何を変えるべきか」を整理してきたという。

そこで再定義されたのがクラブのミッション・ビジョン・ブランドステートメントだった。

策定された新ミッションは、「心揺さぶる体験を届け続ける(We move people)」。従来の「心揺さぶるバスケットボール」という競技軸の思想から、さらに一歩進んだ形だ。

神田社長は「バスケットボールの競技そのものだけでなく、試合演出のエンターテインメント・ファンとの一体感・カルチャー・応援文化。これらすべてを“体験”と捉え、人々の心を動かして日々を豊かにしていきたい」と述べた。

さらに、ビジョンとして掲げられた「人々を魅了する東京のカルチャーへ(Defining Tokyo Culture)」には、単なるプロスポーツチームという枠を超えた、壮大な目標が掲げられた。

「東京に来たらサンロッカーズの試合を見に行きたいねと思ってもらえるような、東京を代表するカルチャーになりたい。

野球で言えば、ロサンゼルスに行けばドジャースを見に行き、普段からLAの帽子を被る人がいる。本気でそういう存在になる姿を描いています」

ブランドステートメント「MOVE LOUD, STAY PLAYFUL」が示す通り、人々の心に強烈なインパクトを与えながらも、常に自由で遊び心を忘れない姿勢。それが新生・東京サンロッカーズのアイデンティティとなる。

メインカラーは伝統の“黄”から、洗練された“紫”へ

この思想は、一新されたチームビジュアルにも色濃く反映されていた。会場にどよめきと大きな拍手を巻き起こしたのが、メインカラーの変更だった。これまでの伝統的な黄色から、深みのあるバイオレット(紫)へ。

神田社長は「情熱を表す赤と、冷静さを表す青が混ざり合って生まれるのが紫。これまで大切にしてきた熱量と、これから育てていく東京らしい洗練さの両方を表現できる色」と説明した。

一方で、伝統の黄色も「歴史としてセカンドカラーで大切に受け継いでいく」と言及。フェラーリなどのデザインで知られる奥山清行氏が手がけた新ロゴには、アクセントカラーとして黄色が配されている。

円形を基調に、東京サンロッカーズの頭文字である「T」と「S」、そして太陽やバスケットボール、人の熱狂をイメージしたグラフィティ文化に通じる洗練された新ロゴ。

その下部には「EST.1935」の文字が刻まれた。これこそが、他の新興クラブには真似のできない、日本バスケ界最古の歴史を持つクラブとしての誇りの証明である。

紫をメインに伝統の黄色も配された新ロゴ(東京サンロッカーズ提供)

そして描く世界観は、新ユニフォームにも落とし込まれた。そのデザインコンセプトは「東京から、その先へ。」

新たなチームカラーであるバイオレットを基調としたボディの両脇には、太陽の光を想起させる鮮烈なラインを配置。

トップスからパンツへと一直線に伸びるその光は、コートの枠を越え、未来へと突き進むクラブのエネルギーを表現している。

さらに、首元や袖にあしらわれた白のアクセントが、東京らしい洗練された美しさと軽やかさを引き立て、視覚的にも非常にスマートな印象を与える。

新たな1stユニフォームも7月に発表された(東京サンロッカーズ提供)

チームを象徴する3選手、そしてドラフト1位のニューフェイスも

このバイオレットは、先んじて契約が決まった3選手が身にまとった。その3選手とは、チームの顔とも言えるベンドラメ礼生、ジョシュ・ホーキンソン、ジャン・ローレンス・ハーパージュニア。

サンロッカーズ一筋で在籍12シーズン目(アーリーエントリーのシーズンを含む) を迎えるベンドラメは、「Bプレミアという新しい舞台でサンロッカーズとしてプレーできることをうれしく思います。東京という名前を背負い、バスケットボールを通じて東京全体を盛り上げ、多くの人を元気にしたい」と決意を口にする。

バイオレットを身に最初に登場したベンドラメ礼生

ホーキンソンも新ロゴについて「シンプルで格好いい。東京の『T』とサンロッカーズの『S』、そしてバスケットボールが組み合わさっていて素晴らしいデザイン」と評価。「1935」の刻印にも触れ、伝統と革新が融合した象徴だと語った。

昨季ベンドラメと共にキャプテンを務めたホーキンソンも登場しファンを喜ばせた

昨季新人王を獲得したハーパージュニアは、「昨季のサードユニフォームでも紫を着ていたので親しみがあります。Bプレミアでは他にないカラーですし、このユニフォームで自分らしいディフェンスを見せたい」と笑顔で来季への意欲を語った。

若き司令塔のハーパージュニアもサンディーを隣に早速意気込みを見せた

そして新時代を象徴する存在として、新たな戦力が加わることも発表された。Bリーグ史上初となるドラフト会議で全体1位指名を受けた山﨑一渉(いぶ:ノーザンコロラド大)との契約合意が正式に発表されると、会場はこの日一番とも言える大きな拍手に包まれた。

紫の新ユニフォームに袖を通した山﨑は、「最初のドラフトで、サンロッカーズのような素晴らしいチームに指名していただけたことは本当に光栄です」と笑顔を見せた。

アメリカの大学に残る道、別大学へ転校する道、そして日本でプロ入りする道。複数の選択肢があった中で、山﨑が選んだ理由は“成長できる環境”だった。

「経験を積みながら結果を出し、日本代表にもつなげていく。そのためにはサンロッカーズでプレーすることが今の自分にとって一番成長できると考えました」

注目のドラフト1位・山﨑一渉が正式に加入を表明した

チームの印象についても「ベンドラメ礼生選手のような経験豊富な先輩がいて、ジョシュ・ホーキンソン選手やジャン・ローレンス・ハーパージュニア選手もいる。本当にワクワクするロスター」と語り、新たな挑戦への決意を語った。

ノーザンコロラド大では30試合に先発出場し、平均9.9得点、3.6リバウンドを記録。3ポイント成功率36.2%、フリースロー成功率90.9%も誇るシューターが加わった。

自身の強みについては「201センチのサイズがありながらアウトサイドでプレーできること」と語り、「ディフェンスでも貢献したい。将来的にはボールハンドラーとしてプレーの幅も広げていきたい」と成長への意欲をのぞかせた。

そんなゴールデンルーキーには、チームメートとなる先輩たちからも期待の声が相次いだ。

日本代表でも共闘したホーキンソンは、「体が大きくて強いだけでなく、本当に器用。2番から4番まで守れて、シュートも打てる。来シーズン一緒にプレーできるのが楽しみ」と評価。

ハーパージュニアは高校時代に対戦したことがあると明かし、「高校最後のウインターカップで一渉に負けて引退したので、正直もう対戦したくないと思っていました(笑)。今こうしてチームメートになれて本当にうれしい」と笑顔を見せた。

ベンドラメも「この身長で外から仕掛けられるのは大きな武器。Bプレミアでは外国籍選手とのマッチアップも増えるので、そのサイズを生かしたディフェンスにも期待しています」とエールを送る。

会見では神田社長から新たなバイオレットのユニフォームが手渡され、山﨑は「すごく格好いい。早くこのユニフォームを着てプレーしたい」と力強く語り、フォトセッションでは大きくガッツポーズを見せた。

真新しいユニフォームに笑顔も見せる

7月1日からスタートを切った「東京サンロッカーズ」。試合の勝敗に一喜一憂するだけでなく、スポーツとカルチャーを融合させ、街の新たな価値を生み出す存在になることを明確に宣言した。

青山学院記念館で積み上げた10年の熱狂を経て、広大な「東京」全域へと舞台を移すクラブの挑戦がいよいよ始まった。

(了)

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