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―鹿島学園女子ソフトボール部―明るく元気でパワフルな監督と23人の乙女たち

 15歳で親元を離れ、寮生活をしながら、ソフトボールに打ち込む子どもたちがいる。他人と共に暮らす彼女たちをつなぐものは、持ち前の明るさと元気の良さ。とはいえ、結果がはっきりと出てしまうスポーツの世界で、その明るさを保ち続けることは、決して簡単なことではないだろう。

 そんな選手たちと日々向き合っている大人は、日頃どのようなことを考えているのだろうか。鹿島学園女子ソフトボール部監督の神山里美氏と、コーチでOGである三部あゆみ氏の2人に話を聞いた。

選手たちは寮生活を送り、日々を共にしている

「愛くるしい」選手たち

新学期が始まって2か月ほど経ちました。今年は何人の新入生が入部されましたか。

神山里美氏(以下、敬称略)「5人の新入生が入部し、今年は23人の選手がいます。ここ数年は新入部員の数が多かったので、今年は比較的少なく感じています。最近は子どもの数自体も少なくなってきていますし、またソフトボールをしたことがある子どもの数も減ってきているので、そうした傾向が表れているのかな、と思います。」

監督が新入生に一番最初に話したことは、どのようなことでしたか。

神山「実は4月にはすでに大会が始まってしまっていたので、あまり深い話はしていないのですが、女子ソフトボール部の部員は鹿島学園のなかでも模範生として認識されていることも多いので、そうした面でも先輩について行けるようにしてほしい、とは言いました。」

学校の中で選手が模範生として見られているというのは、非常に誇るべきことだと思います。選手のどのような点が学校でも評価されていると思われますか。

神山「明るくてパワフルな選手が多いためだと思います。また、人当たりのよい子が多いので、どこに行っても愛される子が多いです。監督の私がこのように言うのもどうかとは思いますが、みんな「愛くるしい」という表現がぴったりな選手たちです。でも、「破天荒」という言葉を思い出すくらい、とても元気な世代が時々現われたりします。

 また監督として、選手には挨拶はもちろん、他人に対してきちんと気遣いをすることを日頃から求めています。例えば人を不愉快にさせないような声のトーンや表情の大切さなどを、練習中の選手に話すことは多いですね。」

では、鹿島学園女子ソフトボール部の特徴とはどのような点だと、監督は考えていますか。

神山「先ほどお話ししたように、選手たちがすごく明るくて、パワフルなことが一番の特徴ですね。また、それがこのチームの強さの秘訣でもあると思います。 

 ソフトボールの技術的な面でみたら、このチームはまだまだ足りない点がたくさんあります。でも、うちの選手は底抜けに明るくて、ゲームの間中ずっと声を出して応援していたりするので、それに相手チームがびっくりしているようです。」

全国大会に進出し、活躍することがチームの目標

周囲への気遣い

三部さんは鹿島学園女子ソフトボール部のOGで、今はコーチとしてチームを支えておられます。今の選手を見て、自分の頃とはこんな点が違うな、と思ったことはありますか。

三部あゆみ氏(以下、敬称略)「私はこのソフトボール部の5期生だったのですが、まず私たちの頃と比べると、今の方がいろいろな設備がとてもよくなっているので、その点はうらやましいと思うこともあります。そして、今の方がチームのパワフルさがアップしているような気もします。

 その一方で、私はコーチとして比較的近い距離で選手と話をすることも多いのですが、選手の持つ悩みのようなものは、寮生活に関することや学校生活に関することなど、私がいたころとあまり変わりはないように思います。選手の話を聞きながら、自分も当時は同じことを考えていたな、と思うことも多いです。また、このチームで伝えられている基本的な哲学は、私が現役だったころからあまり大きくは変わっていないように思います。」

チームが明るくてパワフルなのは、三部さんの時代から変わらないことですか。また、お話を伺ったところ、チームのパワフルさの源は、神山監督にあるようにも思えますが。

三部「確かに監督はパワフルな人で、ゲーム中の声の迫力には、選手や私が束になってもかないません。また、明るくてパワフルなチームというカラーは、私がいたころからまったく変わっていませんね。」

監督をしていて、いままで一番嬉しかったことと、一番悔しかったことを聞かせてください。

神山「一番嬉しかったのは、2023年に初めて全国大会に出場したことです。この年、春の選抜で全国大会に行って、その直後インターハイの全国大会に行きました。

 一番悔しかったのは、ある試合の初戦で勝てると思っていた相手に、自分たちがコールド負けしてしまったことでしょうか。あの時は良い勉強になりました。」

悪い負け方をした時には、チームの雰囲気を変える必要があるかと思います。監督はどのようにして、暗い雰囲気を断ち切るのですか。

神山「私は思ったことをオープンに口に出してしまうタイプなので、悔しい、悲しいと選手の前でも言ってしまいます。でもそうした時には、選手たちも私と同じように悔しい思いをしているので私の言葉を聞いても、監督も同じことを感じているんだと思ってくれているようです。」

三部「監督は基本的に気持ちの切り替えの早い人なんです。悔しいゲームだった時には、口にも表情にもはっきり出ますが、その状態がずっと続いているということはありません。」

最後の質問です。監督として、そして、コーチとして、選手たちは将来どんな大人になって欲しいと思っていますか。

神山「社会に出たとき、「鹿島学園出身です」と胸を張って言えるような人になってほしいと思っています。私は選手に「社長秘書になれるくらいの気遣いができる大人になりなさい」とよく言いますが、周りの人への気遣いを忘れず、人望のある大人になって欲しいです。」

三部「上の世代から、例えば「現代っ子だから」のように言われることなく、いろんな人に話を聞いてもらえるような人になって欲しいです。また、「鹿島学園出身のあの人に任せておけば大丈夫」と信頼してもらえるような大人になって欲しいとも思います。」

明るく元気に、パワフルに

 明るく元気でパワフルな人というのは、どこに行っても人気者になれるタイプである。加えて、他人を気遣うことができる気持を合わせ持っていたら、社会に出ても一人ぼっちで苦しむことはないだろう。

 選手たちがこれからもソフトボールに打ち込んで、心身ともに健やかに成長していくこと、「勝つこと」以上にその大切さを知っている監督とコーチとのインタビューとなった。

(写真提供 鹿島学園女子ソフトボール部)

(インタビュー・文 對馬由佳理)

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