アメフト・市川BLUE THUNDERSが国府台スタジアムでホームゲーム開催「千葉県で最も有名なクラブを目指す」
アメフト・X1 Area所属の市川BLUE THUNDERS(以下ブルーサンダース)が、今季開幕戦(9月5日、対Club TRIAX調布)を千葉県市川市・国府台スタジアムで開催した。
市民750名を特別無料招待、キッチンカーや体験ブースが設置され、スペシャルLIVEが行われるなど大盛況。会場へ足を運んだ誰もが楽しめる“地域の一大イベント”となった。

~負けて得るものはたくさん手に入れた
「僕は市川市で生まれて54年、生粋の地元っ子です。ブルーサンダースが根付き始めているのを感じられるのが、本当に嬉しいです」と萩原信裕HC(ヘッドコーチ)は笑顔を見せる。
ブルーサンダースは1986年に創部され、翌1987年に日本社会人アメリカンフットボール協会(Xリーグ)へ加盟。その後クラブチーム化を進める中、2021年に千葉県市川市をホームタウンに定めた。数年後のXリーグプレミア昇格と共に、「地域に根ざしたスポーツ振興と社会貢献」を目標に掲げる。
「地域に根付きつつあり、開幕戦のようなイベントが盛り上がるのは素晴らしいこと。だからこそ我々は勝利を挙げて、支えてくれるみなさんに恩返しをしないといけない」と萩原HCは続ける。

「最後まで諦めずに必死に戦うのは当然で、その上で結果も出さないといけないと思っています。X1 Area昇格後、ブルーサンダースは勝てていません。『負けて得るもの』はたくさん手に入れたので、ここからは『勝って得るもの』をどんどん増やしたい」
2024年からX1 Areaに昇格して戦っているが、2年間に渡って勝てていない“現実”もある。「負けることには飽きました」(萩原HC)と感じているのは、選手・関係者のみならず市民・ファンも同様だろう。
「本音を言えば全勝したい。でも結果を出していない現実があるので、まずは目先の試合に勝つこと。勝ち星を積み重ねることで成長もできるはず。今日の試合、目の前の1プレーを大切にする。フェアプレーを厳守した上で、最終的には何があっても勝ちたいです」
「地味で泥くさくても少しずつ前進して、相手チームより1点でも多く取る。我慢することを絶対に忘れず、仲間を信じて最後まで戦う。勝つ可能性は色々なところに転がっているはずなので、諦めずに最後の1秒まで走り続ける。そういった部分をシーズン最後まで大切にしたいです」
勝利にこだわるシーズンだが、ホーム開幕戦はいきなり野球場(国府台スタジアム)開催となった。普段とは少し異なる環境でのプレーとなるが、「特別なことはないです」と自信を感じさせた。
「選手時代に東京ドームや横浜スタジアムでのプレー経験があります。フィールドが広く感じる錯覚にも陥りますが、プレーしていくうちに慣れます。だから特別な指示や作戦はありません。『試合に集中することで環境にもアジャストしろ』と伝えるくらい。試合終了のホイッスルまで集中を切らさないことです」

~結果を出すことで市川の人々に感謝を示したい
結果にこだわるのはフィールド上の選手達も同じだ。「応援してくれる人々に勝利の瞬間を見てもらいたいです」と主将・DL#95大島崚は言葉に力を込める。
「X1 Areaへ上がって勝てていないのは、悔しいし、本当に申し訳ないです。今年の春も引き分けと負けばかりでしたが、間違いなくチーム力は上がっていると感じています。チームの知名度も少しずつ高まり、メンバー数も増えたことで選手層が厚くなっています」
「選手数が増え始めているからこそ、“チームワーク”をもっと強固にしたい。オフェンス、ディフェンス、スペシャルチームのポジションやユニット関係なく、1つのチームになって戦いたい。弱者が強者に勝つには、束になっていかないと無理だと思います」
「国府台スタジアムのような素晴らしい設備を使わせていただけて本当にありがたいです」と感謝の気持ちも忘れない。「結果を残し続け5年以内にXリーグプレミアに入ることで、市川の方々へ感謝の思いを伝えたいです」と続けてくれた。

大島主将をサポートする副主将2人も熱い思いを持っている。
「僕はブルーサンダースが大好きなので、全身全霊を込めてプレーして少しでも貢献したいと思っています」とクラブ愛を全面に押し出すのはDB#2宮本昂汰だ。
「DB(ディフェンス・バック)として試合の流れを変えるプレーをしたいと思っています。自分自身がしっかりプレーできればチームの役に立てるはず。1つずつそういうプレーを積み重ねた先には、シーズン終了後にリーグのオールメンバーにも選ばれると思っていますから」
「国府台スタジアムは人工芝も新しくフカフカなので、グリップが効いて動きやすい感じがします。フィールド上では一瞬たりとも気を抜くことなく、流れを変えられるプレーができるようにしたい。横浜スタジアムでのプレー経験がありますが、ここもヒケを取らないほど素晴らしい。スタジアムに負けないプレーを目指します」
「選手個々が目的意識を持って練習から取り組んでくれています」とチームの充実度も感じ始めている。しかしその上で、「学生時代のようなガムシャラさも忘れず、少しでも上を目指したい」と気を引き締める。

「スタッフが有能でリクルートに力を発揮してくれるので、良い素材が集まって土台が固まり始めました」とWR#13成瀬昴はクラブの強みを教えてくれた。
「選手はもちろん、スタッフのみんなに『強いクラブになりたい』という熱がある。日本各地の試合をこまめにチェックして、良い選手には積極的に連絡を取る。各ポジションで適材適所の補強を行うことで、チーム内競争も活発化して全体レベルも上がり始めています」
「足りない部分はたくさんあります。クラブチームなので全体練習は週1回しかできず、チームプレーの熟成など難しいと感じる時もある。でも他のクラブチームも同環境下なので不平不満を言ってはいられません。選手個々が時間を有効活用しながらレベルアップするしかないです」
「日本一になるまでは遠いと思いますが、まずは千葉県で最も有名なクラブになりたい」と目標を掲げる。現実は理解しており、「市川から千葉県全体を巻き込んで認知度を上げたい。そのためには勝たないといけません」という。

開幕戦は「16-37」で敗れたものの、ブルーサンダースは最後まで諦めない姿勢を見せてくれた。スタンドを埋めた多くの観客からは、激しいプレーの連続に惜しみない声援と拍手が送られていた。
「応援していただいて、『ありがとう』と言いたい。試合で勝てるよう、自分達を信じて戦っていきたい」(大島主将)

2025年4月にリニューアルオープンした国府台スタジアムは、スタンドの傾斜もあって試合の観やすさは抜群。全面ビジョン化されたスコアボードにはプレー映像も流されるなど、最高の環境が作られた。あとは選手・関係者の誰もが語るように、“勝利”という結果が望まれるところだ。
この日スタジアムにあった熱気からは、大きな可能性を感じた。まもなく訪れる“勝利”の日が今から待ち遠しい。そして市川から千葉県全域へ、知名度が広がるスピードは想像以上に速いそうだ。市川BLUE THUNDERSの今後に注目したい。
(取材/文/写真:山岡則夫、取材協力/市川BLUE THUNDERS)

