身体障害者野球日本代表 世界一連覇に向けて好発進 野球命名の地から発信した「スポーツの力・明日への活力」
地元の新田高校女子硬式野球部とエキシビジョンマッチ
続いては日本代表と新田高校女子硬式野球部との試合が行われた。
新田高校は地元松山市の私立高校で、県内唯一の女子硬式野球チーム。松山市が「女子野球のメッカにしたい」という想いから同校へ依頼したことから18年に発足した。
ルールは身体障害者野球では軟式球を使用するため、この試合では軟式球を使用した。加えて身体障害者野球にある打者代走制度(※)を適用。イニングは最大5イニングで、1時間の時間制で行われた。
(※)主に下肢障害で打撃後に走塁が困難と認められた選手に適用する制度。三塁と本塁を結ぶファールラインの延長線から後方1m地点をスタートラインとし、打ったと同時にスタートする。
普段はライバルである2人の投手リレー
10:15にプレーボール。日本代表が先攻で始まった。
日本代表の先発は、早嶋健太。毎年秋に開催されている「全国身体障害者野球選手権大会」2連覇中の強豪「岡山桃太郎」のエースで、17年・昨年と年間MVPに輝くなど、日本を代表する投手。
前回の世界大会でもMVPを獲得しチームを世界一へと導く活躍を見せ、本大会でも中心を担う選手として期待されている。早嶋は投ゴロを軽快なフィールディングで捌くなど、1回を1安打無失点に抑えた。
2回からは、名古屋の藤川泰行が登板。藤川は名古屋のエースそして打線でも中軸を打っており、上述の2連覇の原動力となっている。
藤川と早嶋は春と秋の全国大会決勝で先発し合っている”ライバル同士”。この2年で4試合投げ合って2勝2敗と五分の戦いを繰り広げてきた。
ここでも藤川は早嶋に負けない投球でこの回を3人で抑えた。
日本代表が3回に一挙5点を先取
試合は3回に動いた。表の日本代表の攻撃で1アウト1・2塁とチャンスをつくると、この日2番で入った槙原淳幹(じゅんき)がライト前にタイムリーを放ち先制。続く3番の・浅野僚也(ともに岡山)もレフト前ヒットで続き、まず2点を挙げた。
さらにチャンスは続き、迎えるは5番の主将・松元。
打席では右腕1本で立つ松元は遊撃へのゴロながら諦めずに一塁へ全力疾走。
内野安打となり、その間に2人がホームイン。さらに高月秀明(岡山)も続きこの回一挙5得点をマークした。
松元は結団式での宣言通り、熱いプレーでチームを鼓舞した。