「スポーツビジネス」ってなに? スポーツからどんな価値が生まれるか?

スポーツビジネスとは、スポーツによって生まれる価値を商品やサービスにして販売し、収益を生み出す活動のことです。

モノを売りたい人が、スポーツに関わるなんらかモノを商品にして、お客さんに買ってもらう」ということです。

みなさんが「スポーツビジネス」という言葉を聞くと、何を想像するでしょうか。

プロ野球やJリーグのような、「プロスポーツ」と呼ばれる組織のビジネスでしょうか。

オリンピックやワールドカップなどの大規模な「スポーツイベント」でしょうか。

テレビ局や新聞等のメディアがみなさんに届ける「スポーツの情報」でしょうか。

スポーツ用品を作っているようなメーカーや、それを販売しているお店でしょうか。

スポーツジム、フィットネスなどのスポーツ施設のビジネスでしょうか。

スポーツビジネスとはなにか?」と言われたとき、上記で挙げたようなビジネスはすべて「スポーツビジネス」なのです。

今回は、こうした「スポーツに関わるビジネス」ってそもそも何なの? というお話をしたいと思います。


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もくじ [隠す]

スポーツビジネスってなんですか? スポーツの「価値」と「お金」の交換

最初にも書いた通り、「スポーツビジネス」というのは、スポーツによって生まれる価値を商品やサービスにして販売し、収益を生み出す活動のことです。

好きなチームの試合を見に行くとき、みなさんはチケット代を払い、グッズなどを買いますよね。

オリンピックなどのイベントには、世界中の有名企業がスポンサーになります。

テレビ局はスポーツの放送(試合)をみなさんに観てもらうために、試合を主催する競技団体や球団などに何億円という、多額の「放送権料」というものを支払っています。

スポーツ用品メーカーは、みなさんがスポーツをするときに使う用具ウェアといった、ありとあらゆるものを開発して一年中販売しています。

スポーツジムは、「ダイエットしたい」「身体を鍛えたい」という人のために、色々なマシンを用意したり、優秀なトレーナーを雇ったりして、みなさんの健康づくりを支えています。

このように、「スポーツビジネス」というものは「スポーツに関わるありとあらゆるもの」を商品にして、誰かに「買ってもらう」ことで成り立っています。

ですので、基本的には「スポーツによって生み出された価値をお金と交換すること」と言えるのですが、「スポーツ」に対して「お金」が関係すれば「スポーツビジネス」になるのかというと、必ずしもそうでない場合もあります。スポーツが「商品」になった理由 ~熱狂が「消費」を生み出す~

「お金」が関係しても「スポーツビジネス」ではない場合もある

もう少し正確に言えば、お金のやりとりが発生しても「スポーツビジネス」にはならない(なりにくい)ものもあります。

例えば、スポーツの部活動やクラブチームに入っていた経験がある人なら、チームや顧問の先生などに「部費」というものを払っていたと思います。

なぜ「部費」はビジネスにはならないのでしょうか。

それは、部費は「部活をすること(権利)自体を買っているわけではない」からです。

「部費」を集める目的は、「部活動に最低限必要な備品などを部員全員で負担するため」です。

もちろん、スポーツで有名な私立校などは、数十万円という部費を徴収しているところもありますから、そうして集めたお金を元手にして、別の事業に投資をしている、などの可能性もあるかもしれません。

しかし、「部費」そのものは、商品として売られたり、買われたりするものではないため、お金のやりとり自体は発生しているものの、「ビジネスではない」ということになります。

ただし、そうしてみんなで集めた「部費」を使って、「スポーツ用品」などを購入するのであれば、そこには「スポーツに関する商品をお金と交換する」というやりとりが生まれるので、「スポーツビジネス」という活動に「お客さん」という立場で参加していることになります。

このように、基本的には「スポーツに関するありとあらゆるもの」をビジネスにして、商品やサービスとして販売することができるため、「これはスポーツビジネスだ」「これはスポーツビジネスではない」と明確に区切ることはとても難しいのです。

「スポーツ産業」の構造を理解することが大切!!

スポーツビジネスを学んだり、実際にビジネスをしたりする時に知っておきたい考え方として「スポーツ産業」というものがあります。

産業」というのは分かり言えば「仕事」という意味です。

世の中には様々な「仕事」があります。

例えば、野菜や果物などを育てて収穫する仕事は「農業」、商業施設やマンションなどを建てる仕事を「建設業」などと呼びます。

しかし、「スポーツ業」あるいは「スポーツ産業」という産業は、明確に定められていません。

なぜなら、先ほどのように「スポーツビジネスはスポーツに関するありとあらゆるもの」を生産したり販売したりすることができるため、具体的に「何をスポーツ産業とするのか」のという定義がとても難しいからです。

例えば、ミズノやアシックスといった「スポーツ用品メーカー」は、一般的には「製造業」というカテゴリに分類されています。

製造業」の中には、家電製品を作ったり、洋服などに必要な繊維などを作る会社が含まれています。例えば、「トヨタ自動車」や「ソニー」といった企業が「製造業」のカテゴリの中に入っています。

スポーツ用品」というものも、基本的には「モノづくり」という仕事になるので、「製造業」というカテゴリの中に入っています。

これは、作っているものがたまたまスポーツに関わるものであって、洋服を作ることや、食品を作ったりすることと、本質的には同じビジネスであるからです。

ですから、みなさんご自身がどんなスポーツビジネスに興味があるか、学んでみたいか、関わってみたいかを考えるときは、まずそのビジネスが「どんな産業に所属しているか?」を知ることはとても大切になります。

スポーツに関わる仕事と「産業区分」の例

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記事提供
ゼロからのスポーツビジネス入門 須賀 優樹

「世界で一番優しくスポーツビジネスを学べる場をつくる!」を目標に、スポーツ業界に入りたい人、活躍したい人をこれまで多数支援。学生時代の専門は「スポーツマーケティング」。現在は大手企業のデジタルマーケティングやビッグデータ分析のコンサルティング、スポーツ団体の新規事業支援などをやっています。

 

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