【DDTプロレス 遠藤哲哉】今年は欲をだしDDT全てのタイトルを狙う!
秋山準、岡田佑介らと共に新生バーニングを始動させ1年が経過した遠藤哲哉。昨年末、戴冠したKO-D6人タッグ王座の2度目の防衛戦が2.26後楽園大会で行われる。挑戦者はRIZINやONEで活躍する青木真也、D王GP2022覇者で俳優としても活動する上野勇希、そして“煽りパワポ”でブレイクし数々のテレビ番組にも出演するスーパー・ササダンゴ・マシンを迎え撃つ。その遠藤に昨年のD王GP・武藤敬司引退興行・DDTハリウッド大会・2.26後楽園での防衛戦、そして2023年の目標を聞いた。(取材/文:大楽聡詞、取材協力/写真:DDTプロレスリング)
DDTプロレス最強の称号をかけたリーグ戦・D王GP2022を振り返る
遠藤哲哉(えんどうてつや)1991年8月11日生まれ。
学生時代にならした新体操仕込みの飛び技で立体的な試合を構築するハイフライヤー。2012年4月後楽園ホールでデビュー。2014年9月竹下幸之介とのコンビで飯伏幸太&ケニーオメガのゴールデンラヴァーズを下しKO-Dタッグ王座を奪取。
2016年7月ライバルである竹下を超えるべく、佐々木大輔の勧誘を受けてDAMNATION(ダムネーション)入り。2020年東スポプロレス大賞技能賞を受賞。
DAMNATION解散後、2021年12月小橋建太さんからの助言を受け秋山準、岡田佑介、高鹿佑也と共にBURNING(バーニング)を結成。2022年3月20日DDT25周年記念大会のメインイベントでKO-D無差別級王座を戴冠。
しかし6月のサイバーファイトフェスにて試合中脳震とうを起こしてレフェリーストップ負け。予定していたKING OF DDTトーナメントを欠場しKO-D無差別級王座を返上した。
昨年末、遠藤はDDTのトップに返り咲くべくDDT最強の称号をかけたリーグ戦「D王GP2022」に出場するが2勝2敗1分5点でAブロック2位。惜しくも決勝進出はならなかった。
「言い訳になりますが、リーグ戦開幕直前に左足首をねんざして本来の力を発揮できなかった。足首は自分の体重を支える大切な関節だと思っています。飛び技にしても相手を持ち上げるにしても打撃にしても全てに踏ん張りが効かず不安定な状態で戦っていました」
D王GPは全5試合。このリーグ戦の覇者である上野勇希とRSP(リッキー・シェイン・ペイジ)に勝利、元同門DAMNATIONの佐々木大輔と30分時間切れ引き分け、ジョーイ・ジャネラと吉村直巳に敗退。リーグ戦を勝ち抜けなかった理由はどこにあるのか。
「勝てば優勝決定戦に出場できた最終戦の吉村との戦いです。試合中、吉村が首を負傷し少し間ができた。そこでダメージを回復し「イケる」と確信、心に隙ができてしまった。そこをつけ込まれてしまいましたね」
2.21東京ドーム武藤敬司引退興行にDDTプロレス代表として出場
かつて「プロレスとはゴールのないマラソン」と言った武藤敬司がゴールを決めた。2月21日東京ドームだ。プロレスリング・ノア、新日本プロレス、全日本プロレス、ドラゴンゲート、東京女子プロレス、そしてDDTプロレスと日本で活躍するプロレス団体が一堂に会する夢のイベント。
その武藤敬司の引退興行でDDT提供試合として遠藤は8人タッグに出場する。
「小さい頃、僕はグレートムタ(武藤敬司の別キャラクター)のファン。プロレスゲームでグレートムタを選択し遊んでいました。直接試合を観たことはなかったけど、ビデオを借りて何度も繰り返して試合を観ましたね。
その武藤さんの引退興行に出場するのは感慨深い。このことを当時の自分に言っても信じないでしょうね。プロレスラーになって本当に良かったです」
DDT提供試合は「MAO・勝俣瞬馬・上野勇希・小嶋斗偉vs遠藤哲哉・岡谷英樹・高鹿佑也・正田壮史戦」。カードの話に触れた途端、遠藤の顔が曇った。
「うがった見方をすると、DDTはMAO・勝俣瞬馬・上野勇希・小嶋斗偉のThe37KAMIINA(サウナカミーナ)を売りたいんじゃないかと(苦笑)。The37KAMIINAが他のプロレスファンのアンテナに引っかかるように僕と若手を組ませたカードを組んだのだろうと勘繰ります。ただ会社の思うようにはさせません。引き立て役になる気はないので、若手の岡谷・高鹿・正田に頑張ってもらって最後は僕が決めます!」
3月DDT、4年ぶりのアメリカ大会が決定。ハリウッド初上陸!
4月1日、2日にアメリカのプロレス団体WWEが主催する世界最大のプロレスイベント「レッスルマニア」がロサンゼルスで開催。レッスルマニア開催週は様々なプロレス団体の大会が行われ、世界中から多くのプロレスファンが駆けつける。
今回、DDTプロレスは3月30日にアメリカ大会を開催。翌日31日は”世界一過激なデスマッチを行う団体”といわれているGCWとの全面対抗戦が行われる。
遠藤の対戦相手は、昨年D王GP2022で敗れているジョーイ・ジャネラ(以下 ジャネラ)。遠藤にジェネラの印象を聞いてみると…
「致命傷を与えたと思っても動きが落ちない、打たれ強いレスラー。あとは感情に任せてメチャクチャ戦っているように見えて理論派。前回敗れた時、『トップロープからのバーニングスタープレスで決まった』と思った瞬間、ジャネラに膝を立てられ丸め込みでカウント3を奪われました。こちらの考えの先を読んでくるレスラーです。ですからハリウッドでは十分気をつけて戦いますよ」
2.26後楽園KO-D6人タッグ2度目の防衛戦
2.26後楽園のKO-D6人タッグ王座戦は、王者チーム・遠藤哲哉&鈴木鼓太郎&岡田佑介に挑戦者・青木真也&上野勇希&スーパー・ササダンゴ・マシン組が挑む。フリーで参戦する鈴木鼓太郎は三沢光晴さんの遺伝子を受け継いだレスラー。遠藤は鼓太郎にどんな印象を持っているのだろう。
「僕はDDTのプロレスしか知りません。そのファイトスタイルを誰と組んでもなかなか変えることはできませんが、鼓太郎選手はこちら側に合わせてくれる。合わせた上で『鈴木鼓太郎の個性』を出してくれるので安心して戦えます」
そしてもう1人のタッグパートナーは新生バーニングのメンバー・岡田佑介。岡田はこのKO-D6人タッグ王座が自身初のベルトだ。王者になると自信がつき変化する選手がいるが、岡田はどうか?
「まだ前にでてない気がします。良く言うと『縁の下の力持ち』になろうとしている。プライベートでガンガン来るのでリング上では遠慮しているのかもしれませんね(苦笑)。僕はもっと主張してくれる岡田を期待しています」
今回の挑戦者チームはMMAファイターとしてRIZINやONEのリングでも活躍する青木真也に、昨年のD王GP2022覇者である上野勇希、そしてタレントとしても活動するスーパー・ササダンゴ・マシン 。
「青木選手が1番怖い存在です。2018年のD王GPで対戦、僕が絞め落とされています。青木選手の関節技や締め技に気をつけながら、しっかり防衛したいですね」
2023年遠藤哲哉の目標
現在、DDTプロレス最高峰のKO-D無差別級ベルトは火野裕士の手にある。そのベルトに挑む次期挑戦者決定戦が2.26後楽園で“DDTのエース”HARASHIMAとD王GP2022準優勝の納谷幸男で行われる。
このベルト以外にも土井成樹が持つDDT UNIVERSAL王座、同門バーニングの秋山準が王者のDDT EXTREME王座、そして24時間いつでもどこでも3カウント判定さえあればタイトルが移動するアイアンマンヘビーメタル級王座などDDTには複数のシングルベルトが存在する。
遠藤は「今年は欲をだして全てのベルトを狙っていきます」と語る。最後に2.26後楽園ホール大会に向けて意気込みを聞いた。
「KO-D6人タッグ選手権、挑戦者はササダンゴマシン・青木真也・上野勇希と一見共通点がないように見えて、実は「ラジオパーソナリティ」でしゃべりが上手い3人。こっちにはしゃべり出したら止まらない岡田佑介がいるので、しゃべりでもリング上でも俺たちバーニングが勝ちます。だからバーニングから目を離すな!」
2.26 KO-D6人タッグ王座を防衛し、シングルのベルトを狙う遠藤哲哉に注目しよう。
<おわり>