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アビスパ福岡のクラウドファンディング、ラストスパートへ!「目標は最後まで貫く」川森社長インタビュー

8月29日、アビスパ福岡のクラウドファンディング「#ふるさと福岡」はスタートしたが、けっして順調なスタートではなかった。

クラウドファンディングページでは、配慮をし過ぎた結果「助けてほしい」というメッセージを率直に伝えることができず、一部のサポーターから疑問の声が上がる結果に。7月九州豪雨災害やコロナ禍における対応に追われた結果、もともと7月に実施する予定だったのが8月29日までずれ込み、「不完全燃焼」なスタートだった。

そこから、クラウドファンディングページの改訂を実施。クラブの真意を正しく届けることに注力し、選手実使用ユニフォームの返礼品を追加するなど、クラウドファンディングの充実を図ってきた。

今回はアビスパ福岡のクラウドファンディングについて、アビスパ福岡の川森敬史社長にこれまでのクラウドファンディングについて振り返ってもらった。事前にサポーターから寄せられた質問にもお答えいただき、クラウドファンディングとアビスパ福岡の今後に光を当てていく。

クラウドファンディングの現状をどう受け止めている?

――現状、もうすぐ1500万到達(10月15日現在)という状況ですが、スタートから現在の経緯についてどのように受け止めていらっしゃいますか。

川森社長:サポーターの皆さんには多くのご支援をいただき、心より感謝申し上げます。スタートはけっしてよいものではなかったのですが、いろいろなご意見を頂きながらなんとか内容を改善させている最中といったところです。

――目標は3000万円ということですが、達成できると思っていますか。

川森社長:達成できることを信じて、目標は最後まで貫きます。これからも10月31日までは内容の改善や、情報発信に努めていきたいと思っています。まだアビスパがクラウドファンディングをしていると知らない方も多いと思うので、周知を図りたいですね。

――内容の改善ということについて、具体的に何か計画していることはありますか。

川森社長:選手の皆さんから、私物の提供をしていただけることになりました。選手たちは既に実使用のユニフォームに加え、たくさんの直筆サインなど、最大限の協力をいただいています。

――選手にも、今回のクラファンの重要性は伝わっているんですね。

川森社長:コロナ禍のこの状況は選手も重く受け止めてくれています。アビスパ福岡はもちろん、Jリーグ全体の問題としてとらえてくれているので、最大限の協力をしてくれています。選手たちは試合でも結果を残してくれていて、素晴らしいの一言です。

試合に行くだけでも十分支援になる

(c)Avispa Fukuoka

――ベススタへ行くと、試合を観に来た友人が「お金がなくて、クラファンに支援できない」って言ってたんですよね。

川森社長:そもそも、試合に来ていただけることこそ、直接的な支援になります。たとえば、この前のベススタで行われた北九州戦。9000人の方に来ていただけました。あれだけでも、1000万円ほどの収入があったんですよ。試合でお客さんが入るというのが、一番です。

――そうですよね。チケットを買って、試合を観に行くこと。それが基本であり、当然支援につながるというのは、忘れてはいけないことだと思います。後ろめたい気持ちになる必要はないですよね。

川森社長:その通りです。ぜひこれからもアビスパを応援に来ていただければと思います。クラファン支援の方法も金銭だけではなく、情報のシェアも大きな支援につながるので、ご協力いただければ幸いです。

チラシを配らないのか?

――ここからは実際にアビスパ福岡のサポーターからいただいた質問にお答えいただきたいと思います。

質問①
「Twitterにも書いたのでもしかしたら見られているかもしれませんが、クラファンに関するチラシ配布等は考えていないのでしょうか?SNSをしていなかったりファンクラブに入っていないけれどサッカーが好きでアビスパも年に数回は観に行くという友達が多数います。そういう人にもアプローチできるような取り組みがあればいいと思うのですが何か考えられていることはありますか?出来る限り私の周りの職場や知り合いを通じてクラファンのことを周知してもらえるよう協力いたします。」(20代男性、サポーター歴11年~15年)

川森社長:ありがたいお声ですね。ただ「チラシ」というのは、なかなかそこからスマホやパソコンを介して、支援に……というところまでは到達しにくいと専門家からアドバイスをもらっており、コストの割に結果が出にくいといったところです。

――今はコロナ禍の問題もあるので、チラシ配りはとくに歓迎されませんしね。現状、ホームの試合で発表されている電子版のマッチデーニュースでは、告知がされています。

10月4日のマッチデーニュースより (c)Avispa Fukuoka

川森社長:そうですね。電子版のマッチデーニュースはそこからリンクも飛べるようにしています。あとは、JID登録者の方や、AGAの方々、お取引先へのメールで告知を継続的に行っています。

――あとは各々で、SNSで拡散というところでしょうね。

他クラブの成功例は参考にしないのか?

質問②
「先行して実施したクラブがうまくいっています。説明やリターンの出し方など大変うまく出来ているなと関心するのですが、始める前に参考にされなかったのでしょうか。クラファンに限らず、他クラブの表面だけ真似て肝の部分を真似できていない企画が多い気がします。マンパワーが少ない中、一から企画を考えるのは大変ですし、他クラブの企画から発想を得ることは大事かと思いますが、やるのであればJリーグ全クラブがどんなイベントをしているかをもっとしっかりベンチマークするべきだと思います。」(30代男性、サポーター歴21年~25年)

川森社長:おっしゃる通りと思います。今回他クラブの取り組みは事前に確認を致しましたが、専門家にどこまで依頼するかで、自クラブへ直接入金額(粗利)が大きく変わります。今回のクラウドファンディングでは、スポンサー様と取り組むことにこだわりましたが、最低限の専門家のアドバイスと仕組みを採り入れて、後は自前で「まずはやろう」とスタートいたしました。

――かなり手づくり感のあるクラウドファンディングになっていますよね。クラウドファンディングについて精通した方はいらっしゃらないんですね。

川森社長:恥ずかしながら、クラファンに精通した人材はおらず、手探りでやっているのが実情です。外部専門家のアドバイスをしっかり対応できず、ご心配をおかけしてしまいました。その後、少しずつサポーターの皆さんにもご理解いただけて、多大なご支援をいただきました。ありがたい限りです。

――何度も中身を改善したり、返礼品を追加したりと改善を重ねました。けっして上手ではないんですが、しっかりと熱意があることは伝わっているかと思います。

川森社長:未熟な部分も多いかとは思いますが、社員は熱意を持って仕事に取り組んでいます。コロナ禍で初めての取り組みや急な変更も多く、みんな頑張ってると思いますがまだまだ伸びしろはあると思っています。

――クラファン以外の声では、サポーターからは社員さんがTwitterを始めても、更新頻度が著しく低かったり、長続きしなかったりする部分を指摘する声も多くありました。

川森社長:そうなんですよね……。そこは課題と認識しています。継続するチカラ、創意工夫するチカラ、スピード感を持って業務にあたるチカラを、もっともっとスタッフも身に付けなければいけないと思って日頃から話しています。

――普段の姿が見えない分、そういうところで信頼を落としてしまうのはたいへんもったいないですね。

川森社長:そうですね。これから、SNSについてのリテラシーをはじめ、業務遂行能力をもっと高めていかないとと思っています。

選手のSNSからは告知しないのか?

質問③
インスタやTwitterをやっている選手のアピールがもっとあってもいいと思うのですが、どう考えているのでしょうか?(50代女性、サポ歴6年~10年)

川森社長:これはですね、クラブから選手へ指示を出すこととはしていません。選手は社員ではなく、プロの個人事業主として各個人のブランディングや、情報発信スタイルがあるのでそれを尊重しています。クラブから「クラファンをアピールしてください」とお伝えすることは今回していません。

――一部、クラファンのことを発信している選手も確認しましたが、あれは自主的なものなんですね。

川森社長:はい、そうです。選手が自分の判断で行ったものです。SNSは各個人のものであり、それぞれの利用目的も異なります。発信自体はたいへんありがたいことですが、「発信してない人はクラファンへの貢献度が低い」とかそういうものでは決してないので。

――そうですね。選手の皆さんは、そもそもたくさんの直筆サインなど、多大な貢献をしていますからね。

川森社長:選手たちはすでに膨大な数のサインや私物の提供などたくさんの協力を快く引き受けてくれています。選手たちには感謝の気持ちでいっぱいです。

――なるほど。サポーターの質問にもお答えいただき、ありがとうございました!

アビスパ福岡は最後まで走り抜く

9月以降は絶好調でどんどん勝ち点を積み重ねていくアビスパ福岡。シーズン再開当初の絶不調が嘘のように、よく守り、よく攻める試合が続いている。

その結果、一時は17位まで沈んだチームがJ1昇格争いに参画できるようになったのだ。

チームの成績と同じように、クラウドファンディングも残り短い期間でラストスパートを決めたい。チームとともに、上昇だ。

(取材/文:大塚拓馬)

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