地域と共に頂点に! WEリーグ元年のノジマステラ神奈川相模原

ノジマステラの代表深井正吉氏(以下:深井代表)はWEリーグにおけるノジマステラの位置づけとして「オリジナル11に選んでいただき、その中で4つしかない女子単独クラブとして、個性を発揮していきたい」と語る。

深井代表のWEリーグ参入に対する強い想いとJクラブにないよさを追求したいという意気込みが伝わる。

その中でJリーグについてはこう分析する。

「前提としてWEリーグはVISIONに『世界一のリーグ価値』を掲げている。すでに、Jリーグでは『世界でいちばん地域を愛するプロサッカーリーグになりたい』という『シャレン!』※というコンセプトを打ち出し、地域共生を推進している。従って、世界一を目指すWEリーグは、Jリーグを上回っていかねばならない。」

「Jリーグを世界でいちばん地域を愛するリーグだと思っている」と実感した上で、WEリーグを「Jリーグを超えるリーグ」にすることで、「世界一のリーグ価値を提供したい」と深井代表は考えている。

ノジマステラは世界一を目指すリーグにおけるオリジナル11の一員である。

※https://www.jleague.jp/sharen/about/

WEリーグの理念に共感し、地域と共に戦うと語る深井代表(左)と第15代相模原市観光親善大使 佐藤玲那さん(右)

ノジマステラの特徴は「身近な地域の皆さんとのネットワークを大切にしながら、観客動員数や勝ち星をどこよりも上回っていきたい。WEリーグの理念にあるダイバーシティの重要性を推進し、リーグ理念の実現に向け役割を果たしていく。女子単独クラブのよさとして、ノジマステラオリジナルの、きめ細やかな発信力そしてしなやかさ、芯の強さをどんどん発見・発信していきたい。」

と語る。

深井代表は神奈川相模原という地域を大切に考えており、地域との共生を推進し、地域を代表するチームという自負心を見せてくれる。「地域の皆さまと共に歩み、地域に貢献していきたい。その根幹となるのが、ノジマステラのコンセプトである人創り、街創り、そして日本全国の元気創りだ」

人、街そして日本全体を見据えたチーム作りを考えている。

人創りについては、「人材育成は、サッカーを通じた地域社会との関わりを深める中で、磨き上げていきたい」

具体的には、地域との交流などを通じ、地域の重要性の再認知、コミュニケーション力の向上、継続の重要性などを見据える。

また街創りについては、「例えば、スタジアムで試合をすることで生まれる、地域のコミュニティ形成に貢献していきたい。地元のお店がスタジアムに出店することで地域のコミュニケーションの場づくりになり、街の名物店や街のスポットを知ってもらうきっかけとなる」

地元とのタッチポイントを創出して行くことで地域の一員であることを意識づけしていく。

「地域の情報を地域の人に発信して、皆さまに喜んでもらいたい」と語る。

ノジマステラはWEリーグと創設以来の理念をどこよりも重視し、地元神奈川相模原の一員としてWEリーグの中で「神奈川県」および「相模原」の名前を全国に発信していく。

地域を代表し、1シーズンWEリーグを戦っていくという強い意志が深井代表から感じられる。「プレシーズンマッチは0勝4敗という厳しい結果があったものの、様々な課題を現実的に把握し、解決に向かっていると現場から聞いている。WEリーグ初年度のノジマステラの活躍を期待してほしい。これまでノジマステラが大切にしてきた根幹として、何よりも『エンジョイ』の部分も発信していきたい。苦しいことを乗り越えていくことも含めてエンジョイである」

この言葉からは、楽しむことに加え、楽しませたいという想いも感じられる。

「クラブを公器として捉え、ファンの皆さん、地域やスポンサー企業、オーナー企業の皆さんに喜んで頂き、結果も残していかねばならないという責任も使命もあり、自分のすべてを傾けてやらせて頂いています」

また、「今年のチームスローガンは『生々流転』。北野監督は相手も含めた22人、さらに控え選手、コーチングスタッフの思考等を含めたものがサッカーだと考えている。関係者全員の変化を受けながら上回っていくのが『生々流転』と考えている。そして、全員守備と全員攻撃で最後まで戦い抜くスタイルで『楽しむ』ことを皆さんにアピールしていきたい」と今年のノジマステラの目指す姿を語る。

深井代表に選手の状況のことを尋ねると心配ごとばかりだと語る表情が印象的だ。

怪我はないか、体調は大丈夫か、人間関係は良効か、深井代表が家族のことを考えているような表情になる。

チームワークがよい証がこうした一場面だけをとっても伝わってくる。

『生々流転』をスローガンにするチームが常に前進する変化を楽しみ、チーム一丸となりスタジアムで最高のパフォーマンスを発揮すれば、地域が盛り上がるだろう。

選手からも相模原の自然だったり、大凧祭りであったり、地元の人の交流の重要性であったり、地元と融合、共生していきたいとの意識が感じられた。深井代表の想いが選手全員に浸透していることがうかがえた。

WEリーグ元年に挑むノジマステラは、選手の個性を生かしながら、どこよりも強い「チームワーク」を高め優勝を目指していく。

ノジマステラは個々のポテンシャルの点の集まりから、線となり、チームワークという「面」を手に入れた。

全員攻撃と全員守備を繰り返すことで優勝戦線に出てくるだろう。

ノジマステラとそれをサポートする地元神奈川相模原のコミュニティの一体感。

この一年、ノジマステラから目が離せない。

(取材・文/鈴木大介)

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