• HOME
  • コラム
  • 未分類
  • YAMATY(大和&HARTY)が語る、「野球同様、音楽にも人生を捧げて本気で楽しむ」

YAMATY(大和&HARTY)が語る、「野球同様、音楽にも人生を捧げて本気で楽しむ」

元プロ野球選手と元高校球児によるユニット『YAMATY(ヤマティ)』が本格的に動き出した。阪神、DeNAで活躍した大和と香川西高時代に甲子園出場経験を持つアーティスト・HARTYは、なぜタッグを組むことになったのか。「徹底的に本気、紅白出場をガチで目指します」と声を揃える2人に聞いた。

YAMATYは、元プロ野球選手・大和(写真左)とアーティスト・HARTY(同右)によるユニット。

~本気で紅白歌合戦を目指す“前代未聞”

「“前代未聞”とは、このこと」(『Spirit』)

2025年12月14日にYAMATYとして初めて配信リリースされた楽曲『Spirit』内のリリック(歌詞)に、HARTYは率直な気持ちを入れ込んでいる。

「プロ野球選手がノリで曲を出すとか、歌合戦のような場所で歌うことは以前もあった。でもダンスホールレゲエのナンバーを本気でリリースするなんて、考えられなかった。“前代未聞”という言葉がすぐに浮かびました」(HARTY)

「プロ野球選手でしたが、昔から人前に出るのは苦手なタイプ。音楽は昔から好きで、『曲とか出せば良いじゃん?』と周囲に言われても、ずっと断っていました。HARTYさんが本気で誘ってくれたから、思い切ってトライしました」(大和)

大和(前田大和)は俊足・好守・巧打を活かし、プロ野球通算16年で1524試合出場を果たした名選手。HARTYは元球児のミュージシャンで、日本ハム・新庄剛志監督(BIGBOSS)のテーマソング『BIG4 BIGBOSS』を手掛けたことでも知られる。

野球という共通項があった2人が初めて会ったのは2024年、知人を介しての食事会だった。大和がプロ野球史上207人目の通算1500試合出場を達成した直後だった。

「『新庄さんの曲などを歌っている派手な格好の人』という印象を持っていました(笑)。勝手な印象ですが、『ミュージシャンの人はイケイケな人が多い』というのがあった。でもHARTYさんは物腰低く、優しい方で驚いたくらいでした」(大和)

「会った瞬間、『大和がいる』という気持ち。大好きだった新庄さんが引退後は、ピンッと来る選手と出会っていませんでした。でも大和さんを見た時に、『この選手を応援したい』と思えた。尊敬の念をずっと持っていたので、緊張しました」(HARTY)

当時の大和は音楽業界について、HARTYは野球について、お互いに質問を繰り出した。その際に運命的な出来事が発覚、高校時代に甲子園で2人はニアミスしていたという。

「高校3年で甲子園出場した時(2003年夏)、大和さんも鹿児島・樟南高校1年で甲子園に出ていた。開会式の時、同じ敷地内にいたことに縁を感じました。『新庄さん以外の選手でピンと来たのは、こういうことやったんや』と(笑)」(HARTY)

春季キャンプ地・宜野湾(沖縄)での、『横浜DeNAベイスターズ Haisai Carnival 2026』にも参加した。

~ポリスもお手上げ手錠解除

「一緒に音楽をする、ということは夢にも思っていなかった」と振り返る。しかし面識ができた2人は、大和の現役引退を機に『YAMATY』としての活動をスタートさせる。

「野球関連イベントをご一緒させていただくようになった。HARTYさんがライブで会場を温めた後、野球の試合を見ながら僕が解説するような感じ。何度かご一緒させていただいても、僕が歌うなんてことは全く頭になかったです」(大和)

『YAMATY』としての活動が進むにつれ、周囲からは「(大和も)歌えば良いのに…」という声が聞かれるようになった。

「共通の知人から、『(大和に)曲を作ってあげてくれ』と言われていた。音楽が大好きで様々なジャンルに精通されていたので、『大和さんが歌うことをサポートできれば』とは思っていました。当初は(大和が)ピンで歌うと思っていましたから」(HARTY)

「2025年夏頃にHARTYさんが僕のために曲を作ってくれました。『せっかくなので、もう1曲、お願いしても良いですか?』とダメもとでお願いしたら、2曲目も即座に作ってくれた。『そこまでやってくださるのなら…』と覚悟を決めました」(大和)

「(HARTYさんが)一緒なら歌いますよ」と返事をもらったことで、HARTYの心の炎が燃え上がったのは言うまでもない。

「嬉しかったと同時に、『まじか?』という思いもあった。球界に名を刻んだスター選手の、現役引退後の人生を預かる立場でもあります。『めちゃくちゃ本気で取り組もう』と身が震えました。曲も何度となく修正を入れて作り直しましたから(笑)」(HARTY)

音楽ユニットを組むことが決まると、HARTYにとって忘れられない出来事が起こった。曲を作り上げるため、「今、考えていること、胸にあることを書き出してください」と頼んだ時のことだった。

「曲を作るのは難しいので、作文のようなものが来ると思っていた。しかし最初から曲というか、アーティスティックなものが届いた。『ポリスもお手上げ手錠解除』って、えげつないですよ。『嘘や?』って思いました(笑)」(HARTY)

「HARTYさんとの電話が終わって夜0時頃でしたが、思い立ったことを書き綴りました。頭の中にどんどん言葉が出てきたので、それを全て書き綴って送りました。自分自身でも『こんなことを考えていたんだ』と気付けた部分もあります」(大和)

「朝起きたら、とんでもない長文が届いてました(笑)」(HARTY)と当時を懐かしみながら、2人は満足そうな表情を浮かべる。

4月11日の広島戦(横浜)では、始球式やイニング間イベントにも登場して場内を盛り上げた。

~野球選手としては“生涯現役”

大和からの長文を読み、「そういう感覚、考え方だったんや」と、HARTYは感動と納得を覚えた。

「すごくプラス思考の人。楽しいことを常に追い求め、気になったことには挑戦してみる。まずは全てを1回やってみて、ダメならその時に考える。後悔しないように生きる、『生涯現役やぞ』という強い意志を感じました」(HARTY)

「特に野球選手としては、死ぬまで現役だと思っています。だから“引退”という言葉は一切、使っていません。DeNAからも引退試合やセレモニー開催の打診を受けましたが、お断りしました。本当にありがたく感謝していますが、自分の気持ちに正直にいたかったからです」(大和)

「生き方がアーティストなんです」と、HARTYは笑いながら付け加える。「現役引退後にアパレルブランドを立ち上げたのも、『やってみたい』思いが強かったから」と、大和は当然と言わんばかりに語る。

「やってダメならやめれば良い。面白ければ続ければ良い。野球も同じで、プロ野球選手としては終わるタイミングだったということ。今も考え方は変わらないですし、何でもやるからには全精力を投入します」(大和)

いわゆるアーティスト特有の“天才型”に思える。しかし一方では、周囲への気遣いや感謝を忘れない一面も併せ持つ。

「“日々感謝”これがAnswer」「聞き慣れたあの日のNumber」

『Spirit』内には、応援してくれたファン、関係者への思いがストレートに込められている。

「Numberは打席の応援歌です。阪神の時もDeNAの時も両方入っています。ファンの方々の応援が大きなモチベーションになりました。僕はそういった部分が本当に大きいかもしれません。コロナ禍で応援がなかった時には、気持ちを入れるのに苦労しましたから」(大和)

音楽を通じて周囲の思いを感じ取ることができる。そして自分自身を高める方法も熟知している。「音楽との向き合い方がスゴイ」とHARTYは付け加える。

「打席に入る際の、いわゆる“出囃子”に関しても徹底的にこだわっています。打席に応じて曲自体を変えるのはもちろん、頭出し部分まで指定していると聞きました。これってDJと同じことをやっていますよね(笑)」(HARTY)

「紅白出場を本気で目指す」と語る、YAMATYの動向から目が離せない。

~ゴールを決めず、ひたすらやり続ける

昨年リリースした『Spirit』に続き、3月17日には1st EP『YAMATY』(配信ミニアルバム)をリリース。ライブ活動も並行して行うなど、アーティストとして積極的に動いている。

「ゴールを決めずに、ひたすらやりたいところまでやり続ける。それが結果的に自分の答えになると思う。いろいろな場所でイベントをやったりして、経験を積み続ける。やれることをやる、行けるところに行くということ。これは野球人生と同じです」(大和)

「2人で楽しい方向へ進みたい。僕らが楽しんでなければ、誰にも伝わらない。ましてや勇気や感動なんて感じてもらえないと思う。楽しんでいるところを真似してもらいたい。そして野球で培ってきたことは、未来の世代に少しでも伝えたい。誰もが楽しく、前向きに生きていってもらいたいです」(HARTY)

楽しいことを追い続ける2人だが、自身の影響力も理解している。「最も大事なのは“本気度”だ」と繰り返すのは、そのためだろう。

「本気で人生を賭けて音楽に向き合っています。だから心の底から楽しめる。そういった姿を見てもらって、『本気になるって良いな』と感じてもらえれば嬉しいです」(HARTY)

「甲子園に出た2人が、何となく歌っているのではない、『野球出身だけど、ここまでやる』というのを感じてもらいたい。そういった部分ではアーティストとして、シビアにも見てもらいたいです」

“一発勝負”の高校野球で、「勝った負けた」を経験した。プロ野球選手、プロミュージシャンとして“プロ”の厳しさも知っている。多くの経験を重ねたからこそ、「楽しむこと」の真の意味も知っているのだろう。

2人が奏でる“曲”と“詞”が胸に鋭く刺さるのも、納得ができる。YAMATYのパフォーマンスが、これから先どうなって行くのか注目していきたい。楽しみながら突き進んだ先には、夢の大舞台が待っているはずだ。

(取材/文・山岡則夫、取材協力/写真・株式会社Deneb、YAMATY、取材協力・横浜DeNAベイスターズ)

関連記事