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フルコンタクト空手各階級王者が文部科学大臣を表敬訪問「試合中と比べものにならない緊張感」

5月18日、フルコンタクト空手各階級王者を代表した11名(ジュニア9名、一般2名)が、文部科学大臣・松本洋平氏を表敬訪問した。

『JKJO(全日本空手審判機構)全日本ジュニア空手道選手権大会』の正式名称が、『文部科学大臣杯』ということで実現した時間。「王者としての“責任”を改めて自覚すると共に、競技へのモチベーションが高まった」と、選手達からは異口同音の感想が聞かれた。

5月18日に各階級王者を代表した11名(ジュニア9名、一般2名)が、文部科学大臣・松本洋平氏を表敬訪問した(写真は文部科学大臣とジュニア選手)。

~フルコンタクト空手がもっと盛り上がってくれれば嬉しい

「文部科学大臣にお会いできるなんて、本当に嬉しいし光栄に感じました。『もっと見本にならないといけない』という意識が高まりました」(西山空那/空會館)

西山は昨年の高校女子48kg未満の部で優勝、“文部科学大臣賞”を受賞した。普段は笑顔を絶やさない空手少女だが、当日は緊張感に溢れた表情が目立った。

「“文部科学大臣賞”をもらえるとは、夢にも思っていませんでした。周囲からもたくさん声をかけていただき、反響の大きさを感じました。道場の仲間には『次は私も受賞したい』とも言われたくらいです。表敬訪問の場所で改めて紹介され、気持ちが引き締まる思いを感じました」

「この賞を今後もたくさんの人がもらうと思いますが、それによってフルコンタクト空手がさらに盛り上がってくれれば嬉しいです」という言葉で締めてくれた。空手界の将来を見据えた素晴らしいコメントからは責任感を感じさせた。

昨年の高校女子48kg未満の部で優勝、“文部科学大臣賞”を受賞した西山空那(写真右)。

~『文部科学大臣杯』で大会参加が“公休”扱いに

『JKJO全日本ジュニア空手道選手権大会』は、今年20回目を迎える伝統ある大会。2022年からは『文部科学大臣杯』として行われており、最優秀選手に“文部科学大臣賞”が贈られる。

「『文部科学大臣杯』となってからは、大会参加を“公休”扱いにしてくれる高校が増えました」と笑顔で語ってくれたのが、JKC(全日本フルコンタクト空手コミッション)会長・宮地政樹氏。

「選手達はフルコンタクト空手に真摯に向き合って懸命に努力しています。以前は学校単位の部活とは一線を画す扱いでしたが、“文部科学大臣杯”となってからは学校や周囲からの反応が大きく変化しました。高体連の大会へ出場する選手達と共に壮行会を開いてくれる学校まであるそうです」

従来は“課外活動”の一環とみなされていたが、“部活動”と同等の扱いをしてもらえるようになった。「選手達も、『学校の誇りを背負って戦う』という気持ちを強く持つようになりました」と続ける。

「ジュニア、大学、一般と各年代ごとの大会を用意したい。各カテゴリーのライバル同士で切磋琢磨することは、レベルアップに直結すると思います。各年代と一般の両方における“二冠王者”という夢も膨らみます(笑)」

表敬訪問時と異なり、試合中の選手達は激しい戦いを繰り広げる(写真右は西山空那)。

「強くなって試合に勝つのはもちろん、文部科学大臣の話を聞いて大きな人間になってもらいたいです」と選手達の未来を考えるのは、JKCおよびJKJO代表・酒井寿和氏。

「王者11名が、ここへ来ることができました。選手、ご家族の皆さんは普段から懸命に頑張って結果を残してくれました。その過程を文部科学省が認めて表敬訪問をさせてくれたことは、最高の労いになると思います」

「フルコンタクト空手に真剣に向き合うことで、このような場所に立てることができました。選手やご家族には自信を持ってもらいたいですし、今後へ向けての大きなモチベーションにもなって欲しい。こういう機会が1つでも増えることで、競技の認知度も高まるはずです」

「選手達は試合とは別人のように緊張していた。また保護者の方々も同様に緊張していた。そういった姿を見ても、このような機会が持てて本当に良かったと思います」と心から嬉しそうだった。

JKCおよびJKJO代表・酒井寿和氏(写真左)とJKC会長・宮地政樹氏(同右)。

~“強い人”の真の意味を考えながら取り組む

選手・関係者は東京・霞が関の文部科学省前に集合、空手着に着替えた後、文部科学大臣室へ向かった。選手1人ずつが松本大臣と記念撮影を終えた後、懇談の場が設けられた。

「普段の稽古の様子が、身体つきもそうだし、所作だったり表情とかいろいろなものから伝わってきて頼もしく感じます。心身ともに強い人間に成長されていることを感じます」

松本大臣は緊張気味の選手へ励ましの言葉をかけると共に、防災担当を務めた経験から思う“強い人”の3定義を授けてくれた。

「1つ目は、自分の身をしっかり守れる人。2つ目は、人を助けることができる人。3つ目は、絶対に諦めない人。本当の“強い人”になるにはこの3つが大事だと思います。身体と心の両方が強くなり、人間的成長に繋がると信じています」

選手達には松本大臣の言葉が胸に響いているのが見て取れた。そして、今回の表敬訪問に尽力した豊島区区議会議員・芳賀竜朗氏も同様の思いを語ってくれた。

「『強くある』というのを胸に刻み、自分と向き合いながら稽古に励んでもらいたいです。諦めずに続けることができるはずです。フルコンタクト空手は生涯スポーツでもあるので、粘り強くやってもらえればと思います」

「選手達は緊張していましたが、嬉しそうでしたし輝いていました。フルコンタクト空手に取り組むことで、こういう機会に巡り合う可能性をもっと広げたいです。夢や希望に満ち溢れる未来にするのが、我々の役割だと思っています」

「正直、今の選手達が羨ましくもあります(苦笑)」と、最後には少しだけ本音も滲ませてくれた。自身もフルコンタクト空手経験者である芳賀氏は、選手達を優しい眼差しで見守っていた。

文部科学大臣・松本洋平氏(写真左)と豊島区区議会議員・芳賀竜朗氏(同右)。

~フルコンタクト空手のおかげでテレビの中の人に会えた

「『フルコンタクト空手も大きくなったなぁ』と感じました」とは一般女子・酒井琉翔(桜塾)。そして一般男子・石野源太郎(桜塾)は、「違う世界が見えた感じがします」と呟く。ジュニア選手と共に参加した一般王者2人にとっても、思う部分は大きかったようだ。

「フルコンタクト空手はメジャーではない競技でしたので、少し前までは結果を出しても注目されることは小さかった。こんな舞台に呼んでもらえたり、取り上げてもらえるのは本当に嬉しいです」(酒井)

「文部科学大臣はテレビの世界の方です(笑)。こんな機会が来るなんて思ってもいなかった。フルコンタクト空手を続けていたことで、こういった方にも時間を取っていただけました。本当に良かったです」(石野)

小さい頃からフルコンタクト空手に打ち込んできた2人は、『文部科学大臣杯』になる以前を経験している。少しずつだが競技に光が当たり始めてきた状況に、心から喜びを感じている。

「『文部科学大臣に会えるような選手になりたい』と、競技に打ち込んでいる子供達には目標にしてもらいたいです。そのためには空手家として、自分自身も精進していきたいと痛感しました」(石野)

「フルコンタクト空手がもっと広まって欲しいと素直に思いました。自分自身も現状に満足することなく、情熱を持って取り組んでいきたいと思います。これから先も表敬訪問できる選手でい続けたいです」(酒井)

一般女子・酒井琉翔(写真左)と一般男子・石野源太郎(同右)。

今回の表敬訪問は代表者に限られたが、同競技に関わるすべての人々への栄誉であったのは間違いない。全選手・関係者の地道な行いと努力が認められた形だった。この先もフルコンタクト空手は実直に歩みを進め、進歩・進化を遂げてくれるはず。選手・関係者の誇らしい表情が印象的であり、明るい未来を感じさせた。

表敬訪問選手:

東北地区・五十嵐唯郁(五十嵐道場)、北陸地区・桝田智也(極真会館浜井派石川県支部)、関東地区・福島古都(義和流拳法)、中部地区・西山空那(空會館)、関西地区・奥村亜瑠真(極真会館中崎道場)、中国地区・三山愛瑠(武煌会館)、四国地区・曽根勝沙也香(流心館)、九州地区・中垣蓮(誠武塾)、一般男子・石野源太郎(桜塾)、一般女子・酒井琉翔(桜塾)

(取材/文/写真:山岡則夫、取材協力/写真:全日本フルコンタクト空手コミッション、写真:寺川雄太)

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