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フルコンタクト空手・JKJO(全日本空手審判機構)の頂点が決定「Hero is Coming~英雄となるのは誰だ」

フルコンタクト空手・JKJO(全日本空手審判機構)における各階級の日本一が今年も決まった。

一般の頂点を競う『第18回JKJO全日本空手道選手権大会』。40歳以上の『第6回JKJO全日本シニア空手道選手権大会』とジュニア世代の『JKJO王者決定戦2026』。そして、団体対抗戦『JKJO TEAM BATTLE 2026』の4大会を9月21-22日にわたって開催。

一発勝負で頂点を競う熾烈な戦いに、会場の大阪・東和薬品RACTABドームは大変な熱気に包まれた。

一般、シニア、ジュニア、団体において、熱い戦いが繰り広げられた。

~輝き続ける姿こそがヒーロー

今大会はJKJO主催大会における年内最大のビッグマッチ。一般、シニア、ジュニア、団体の各選手がそれぞれの頂点を争う。参加者も年々増加、今年も数えきれないほどの選手・関係者が会場に集結した。

「選手が輝ける場所を作るのが運営サイドの責務です。安心して必死に戦えるための環境をしっかり整えたいと思っています。また安全面やスムーズな進行はもちろんですが、演出面にもこだわりたいです」

JKJO代表理事・酒井寿和氏は、選手が満足と納得できる場所にすることを重視している。今大会ではセンターコートの4コーナーに支柱を設置、ライティングや映像による演出を可能にした。

「空手は武道なので変えてはいけない部分があります。しかし、時代に即して新しいものもどんどん取り入れたい。参加選手や関係者の方々が喜んでくれて、忘れることのない思い出になればと思っています」

「勝負の世界なので、白(=勝者)と黒(=敗者)というシビアな現実がある。しかし懸命に練習をこなして準備してきた選手達には、この場所を満喫して欲しい。競技を続けるモチベーションにも繋がると思います」

「Hero is Coming~英雄となるのは誰だ」が今大会メインテーマ。

「選手達には常に輝き続けて欲しい。それこそがヒーローの姿だと思います」と酒井代表は語ってくれた。

開会式ではライティングや映像による華やかな演出が行われた。

~階級を変えても結果を残すことの難しさ

会場内には昨年大会における各階級優勝者の大型バナーも張り出された。勝者はJKJOを代表する“顔”的な存在であり追われる立場にもなる。多くの重圧もかかる中、結果を残し続けるのは並大抵なことではない。

「この大会は1番大事にしていて、1番かっこいいところ、勝っているところを見せたい」

酒井琉翔(サカイルカ/桜塾)は「結果にこだわる」という言葉通り、一般女子中量級(55kg未満)で優勝を果たした。

「どの試合でも勝ちたい。でもその中で、『結果と共に、こういう動き、空手をしたい』と思う時もあります。でもこの大会だけは結果のみを追求します。優勝するところだけを見てもらいたいです」

軽量級で4度の優勝、昨年から階級を上げた中量級でも2連覇を成し遂げたことになる。通算6度目の日本一となり、まさに空手界のヒーロー(ヒロイン)と言える存在だ。

「プレッシャーはありますが、乗り越えて結果を出せば更に成長できると思います。そしてジュニアの選手達に見てもらえるのが嬉しい。『酒井選手のようになりたい』と思ってもらえるように、頑張り続けます」

一般女子中量級(55kg未満)の酒井琉翔(サカイルカ/桜塾)。

「今年から階級を上げるので挑戦者の立場。慎重かつ大胆に戦いたいと思います」

新里誠光(ニッサトマサミツ/武立会館)は、新たな挑戦となる一般男子軽中量級(65kg未満)でも優勝という結果を出した。

「今まで何度も試合をしてきた階級とは異なるので、誰もが初対決になります。相手に対するリスペクトを忘れず、1戦ずつ大切に戦いたい。やるべきことはやってきたと思っています」

「楽しみと不安が半分半分です」と試合前には語っていたが、頂点に上り詰めた。軽量級(60キロ未満)時代に2度の王者に輝いた実力を発揮した。

「日本一、世界一を目指しているので、やるべきことは変わらないです。ジュニアの選手が勝っても負けても泣いているのを見て、情熱を分けてもらっています。自分も初心を忘れず、これからも精進していきます」

一般男子軽中量級(65kg未満)の新里誠光(ニッサトマサミツ/武立会館)。

~憧れ、恩返し、感謝

昨年度覇者でありながら、惜しくも頂点に手が届かなかった選手もいる。「毎年レベルが上がっていますね…」と悔しさは滲ませながらも、やり切ったという清々しさは変わらない。

一般男子中量級(75kg未満)を過去5度制覇している石野源太郎(イシノゲンタロウ/桜塾)。今大会は3位に終わったが、競技と大会への熱い思いを語ってくれた。

「ジュニア時代から目指している全国大会。この大会で勝利することで、JKJO以外の他流派の方々にも名前を覚えてもらえます。そして、勝ち方や振る舞いの1つ1つを大事にしたい。ジュニアの選手達も我々の所作を見ていますから」

「『石野選手のようになりたい』と思ってもらえる選手になりたい。ジュニアの競技人口が増えていますが、中学、高校と年齢を重ねるごとに離れる人も多い。尊敬できる選手がいれば競技を続けるモチベーションになるはず。それこそがヒーローだと思います」

一般男子中量級(75kg未満)の石野源太郎(イシノゲンタロウ/桜塾)。

一般女子重量級(55kg以上)の小林由依菜(コバヤシユイナ/桜塾)は、「勝ち続けることが使命」と試合前に語っていたが、決勝で惜しくも敗れ大会3連覇はならなかった。

「優勝するのが使命だと思っています。そのために日々の練習にも取り組んできました。勝つことで道場の仲間や知人に恩返しができるし、カッコいいところも見てもらえると思って挑んでいます」

「勝つことの重圧も感じ始めています。挑戦者で向かっていく立場だったのが、王者として負けてはいけない立場になった。同じ桜塾の酒井琉翔先生や石野源太郎先生は同じ道を歩んでおられます。2人に負けないように結果を積み重ねていきたいです」

一般女子重量級(55kg以上)の小林由依菜(コバヤシユイナ/桜塾)。

一般女子軽量級(50kg未満)で3位になった金城芽唯美(キンジョウメイミ/極真会館沖縄)は、他選手とは少し異なる思いを持つ。他流派から参戦させてもらえることへの感謝が聞かれた。

「普段は極真会館で空手をやっています。昨年は私を含めて(極真会館から)2名出場させてもらい、今年は5名に増えました。他流派の試合を経験できて大きく成長できていると感じます」

「体は小さい(身長143cm)ですが、昨年は優勝することができて本当に嬉しかった。JKJOさんから(大会参加の)声をかけていただいたおかげです。『諦めなければ何とかなる』ということを改めて感じました。今後も感謝の気持ちを絶対に忘れず、勝利にもこだわっていきたいです」

一般女子軽量級(50kg未満)の金城芽唯美(キンジョウメイミ/極真会館沖縄)。

~来年は今以上に進歩・進化した大会にする

「(大会準備に)悔いはありません。やれることはやりました。選手には最高の舞台を用意しました」

大会実行委員長を務めたJKJO理事・竹中正樹氏は、開会挨拶で胸いっぱいに宣言した。参加人数が過去最高となった今大会、「手応えを感じています」と語り始めた。

「参加人数を増やすことを重視しました。大会のPR動画を複数作成、SNS等を通じて拡散しました。各道場をはじめ、様々な場所へ顔を出して声掛けも徹底的に行いました」

地道な活動を重ねて大会の知名度と意義を伝え続けた。各階級の参加人数は増え、特にシニアは昨年から40人増の196人が集まった。

「ジュニアは毎年右肩上がりに増えているので、対極のシニアも同様にしたかった。長く続けた人でも、ある年齢になると競技を離れるケースが目立つ。すごく残念だし勿体無いと思います。シニアにしかできない戦いもあるし、何歳になっても熱く戦えることが青春ではないでしょうか」

ジュニアからシニアまで、JKJOのフルコンタクト空手には夢と希望が溢れている。

多くの選手が集まり、演出に力を入れた開会式は予想以上の盛り上がりを見せた。大会自体も滞りなく終わり、大会実行委員長としては大役を果たした形だ。

「具体的なことはこれからですが、来年は今日以上を目指します。いろいろアイディアを持って、さらなる演出を加えて、もっと進歩・進化した大会にしたいです」

安堵感を感じさせたのは一瞬、すぐに来年大会を見据えていた。JKJOが進化の歩みを止めない要因は、常に前を見続ける姿勢にあることを感じさせる。

結果に関しては勝者と敗者が明確に区分される。しかしHero(=英雄)になれるのは試合の勝者だけではない。リスペクトと感謝の気持ちを持ち、真摯な姿勢で試合に挑む。心技体で最高のパフォーマンスを発揮できる環境を準備する。大会に関わる全ての選手・関係者がHero(=英雄)であることを感じさせた。

11月には全日本インカレ(大学生)と空手甲子園(高校生)も行われる。JKJOのフルコンタクト空手は今後も大きく発展を遂げるはずだ。1年後の大会がどのようになっているのか、今から非常に楽しみだ。

(取材/文/写真:山岡則夫、取材協力/写真:全日本フルコンタクト空手コミッション)

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