【DDTプロレス 樋口和貞・中津良太】DNA一期生としてKO-Dタッグ王座に挑戦!

3月21日(火・祝)後楽園ホールでDDTプロレスリングが旗揚げ26周年ビッグマッチ「Judgement2023〜後楽園史上最長5時間スペシャル〜」を開催!その大会で樋口和貞&中津良太組(ハリマオ)がKO-Dタッグ王者・MAO&勝俣瞬馬(The37KAMIINA)に挑戦する。中津はプロレスリングBASARA所属。両者がタッグを組むことになった経緯、お互いの印象、3.21への意気込みを聞いた。(取材/文:大楽聡詞、取材協力/写真:DDTプロレスリング)

若手主体ブランドDNA一期生の樋口和貞と中津良太が合体!

2014年9月DDTプロレスの高木三四郎社長が「若い力が主人公になる新プロジェクト」の発足を発表。同年11月28日 北沢タウンホールで旗揚げ戦を開催。そのリングで一期生としてデビューしたのが樋口和貞と中津良太だ。

DNAで切磋琢磨した二人だが、中津は2015年12月にDNAを卒業しプロレスリングBASARA(以下、BASARA)に入団。そして樋口は2017年5月DNAを卒業しDDT所属に。

中津は2018年7月BASARA主催「頂天~itadaki~2018」で優勝、同年9月ユニオンMAX王座初戴冠を果たす。

一方、樋口はDDTのリングでなかなか結果を出せずにいた。何度もKO-D無差別級王座に挑戦するものの、ベルトに手が届かなかった。風向きが変わったのは2022年7月、DDTの頂点を決めるKING OF DDTトーナメントで初優勝を果たし悲願のKO-D無差別王座初戴冠。

2015年以降、別々の道を歩んでいた二人が3月21日(火・祝)後楽園ホールでKO-Dタッグ王座に挑戦することになったのだ。その経緯を樋口に聞いた。

1.29後楽園大会、200発以上チョップを打ち合った火野裕士(左)と樋口(右)

「昨年11月、同じユニット『ハリマオ』のパートナー吉村直巳(以下、吉村)が試合中の首の負傷で欠場。最初は石田有輝と二人でやっていこうか、と考えていました。当時、KO-D無差別級ベルトを保持していて、自分のことで手一杯なところもありました。吉村の欠場でKO-Dタッグ王座を返上、ちょうど火野裕士に敗れKO-D無差別級ベルトを失ったタイミングで、どうしようかと考えていました。そんなとき今年1月31日プロレスリングBASARAへの参戦が決まり、中津とシングルをやりたい希望が通りました。それで試合後、僕から中津をハリマオに誘いました」

吉村欠場後、吉村と立ち上げたハリマオをチームとして機能させるためには一番信頼できる人間は誰かを考えた時、樋口の頭の中にふと浮かんだのが中津だった。

団体が違うこともあり、ほとんどリング上では交わることがなかった樋口と中津だが、私生活では仲が良かった。

樋口は「試合では絡んでなかったけど、時々飲みに行くし」と。中津曰く「僕が世界で一番可愛がっている後輩がDDTハリマオの吉村。BASARAの後輩じゃなくて(笑)」

そんな二人の初対決は2015年1月DDT大阪大会ダークマッチ(第0試合)にさかのぼる。デビューまもない二人の戦いは高い評価を受けた。2015年と2023年の戦いに違いはあるのだろうか?

中津は「二人の根元にあるものは変わってない。やっぱり『お互い経験積んだな』と。例えば、新人の頃は白米でスタート、それがチャーハンや寿司になったって感じ。根本は変わらないけど、2023年の戦いはお互いに経験を積んでいろんな味が付いた状態でのシングルマッチだった。完ぺきではないけど、若干熟成されてきた二人だったと思います」と独特な節回しで答えてくれた。

樋口和貞と中津良太はお互いをどのように評価しているのか

相撲出身の樋口と総合格闘技の経験を持つ中津。以前のファイトスタイルと今を比べて違いを感じることはあるのだろうか?

中津は「デビューしたばかりで出来る技も少なく、関節技や蹴りなど総合格闘技の技術を使わざるを得なかった。最近のファイトスタイルは、あの頃に比べると蹴りと関節技が減ってきました」と自分のスタイルの変化を分析。

対して樋口は「基本変わってないです。あの時も気持ちしかなかったけど、今も気持ちでしかやってない(笑)」と話す。そんな樋口のスタイルを中津は「樋口は本当にあんまり変わらない。短所は置いてきて、長所だけが伸びた(笑)」と笑いながら話してくれた。

また樋口は中津に対して「プロレス寄りというか、極めどころが的確になっています。逆にどんな技を出してくるのか読めない感じはありました」と久しぶりに肌を合わせた印象を語ってくれた。

KO-Dタッグ王者・勝俣&MAO組に挑戦するDNA一期生の中津(左)と樋口(右)

3月21日後楽園で二人が挑戦するKO-Dタッグ王座。これまで樋口は入江茂弘や大日本プロレスの関本大介、坂口征夫、吉村直巳らさまざまなパートナーとKO-Dタッグベルトを戴冠。今回のパートナーである中津はどんな存在なのだろうか。

「一言で言うと『自然』。上下関係もなく一番『素』の状態でリングに立てるパートナーです」

DNAの一期生として同じ時間を共にした二人に言葉は必要ないのかも知れない。

KO-Dタッグ王者MAOと勝俣瞬馬(The37KAMIINA)について

KO-Dタッグ王座に並々ならぬ思い入れを持つのが中津。練習生の頃、KO-Dタッグベルトを争うさまざまな戦いをリング下から見てきた。「僕はDDTが好きでDDTに入団した。言うたら『ファンの頃に夢見たベルト』なんで」と。

今回の対戦相手はDDTの人気No.1ユニット「The37KAMIINA(サウナカミーナ)」のMAOと勝俣瞬馬。勝俣は2013年DDT入団。2014年4月にDDTでデビューした。その後、DNA旗揚げに伴い同年11月に移籍。樋口と中津の先輩に当たる。

対してMAOはDNA二期生で二人の後輩。MAOのデビュー戦は2015年8月の両国国技館の6人タッグ。その対戦相手の一人が中津だった。

今回のタイトル戦について中津は「両国の第1試合で戦ったMAOと、約8年経って26周年大会のビックマッチでタイトルマッチを争うのは嬉しい。彼らの戦いを見るたび刺激になります」と久しぶりの再会を楽しみにしているようだ。

また中津はレスラーとしてのMAOと勝俣を「素晴らしいレスラーだと思います。飛んだり、くるくる回って蹴ったりとか、僕にはできないことができる。レスリングスタイルを比較した場合、彼らと僕らは真逆の位置にいます。彼らは僕たちと違って女性人気もすごい(苦笑)。ハリマオは渋いので、おじさんたちから応援されています。The37KAMIINAと完全に真逆です(笑)。やっていることは反対ですけど、彼らを否定するわけじゃない。僕たちには僕たちのやり方がある」と客観的に自分たちとの違いを分析した。

最後にKO-Dタッグ王座戦への意気込みを二人に聞いた。中津は「ただただ頑張ります」、そして樋口は「僕は一生懸命頑張ります」と答えてくれた。

3.4横浜大会、前哨戦MAO(右)とのシングルマッチは中津(左)が制した

3月4日、前哨戦として横浜で行われたMAOと中津のシングルマッチは中津が勝利。KO-Dタッグ王座獲りに一歩近づいた。

3.21後楽園大会ではMAO&勝俣組が防衛回数を4に伸ばすのか、それともDNA一期生の樋口&中津組が戴冠するのか。注目度の高いこのカード、見逃すわけにはいかない!
<おわり>

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