第3期 横浜スポーツビジネススクール最終回 アメリカの事例から見る最先端のスポーツビジネスとベイスターズ特別パネルディスカッション
スポーツ界で求められるものとは?
後半そして第3期のラストを締めくくるプログラムがパネルディスカッション。
横浜DeNAベイスターズ木村洋太 代表取締役社長と小杉陽太ファーム投手コーチ、球団OBの高森勇旗さんによる3名で「『自分らしさ』を武器にしたキャリア開発」をテーマにトークを繰り広げた。
木村社長は、外資系コンサルティング会社に入社後、DeNAとして初めてのシーズンを迎える12年3月に株式会社横浜DeNAベイスターズへと転職した。
少年時代から野球が好きでプロ野球をよく観ていたという木村社長。
04年に起こった球界再編問題を見る中で「あ、野球界もビジネスなんだよな」と感じたことがきっかけだった。「ビジネスであれば自分にもできることがあるのではないか」と考え、いつか野球業界で仕事がしたい思いを抱いていた。
小杉コーチは17年まで投手として9年間ベイスターズでプレー。同年引退後は広告代理店事業を主とした会社を起業し、後にスポーツビジネスにも参画。
19年からは家業のブライダル会社にもアサインするなど幅広く活動していた。昨年ベイスターズのファーム投手コーチに就任し、後進の指導を行っている。
高森さんもかつてベイスターズで捕手・内野手として6年プレーした。12年に引退後は、データアナリスト、ライターなどを経て、現在は企業のエグゼクティブコーチングを行う会社の代表取締役として、一部上場企業を含む50社以上の企業変革に関わっている。
約2時間、濃いディスカッションが行われた中の一部をここでは紹介する。木村社長へ質問がよせられた、コンサルティング業界とスポーツ業界との違いについて。
この質問は、ベイスターズの中長期の経営計画と絡められた。中期経営計画では
「20年後には名実ともに世界一のスポーツチーム」
を掲げている。経営そしてグラウンド双方で”世界一”を目指していく方針を示した。世界一を目指す中で、どんなことが求められているのか。木村社長はこの質問に答えた。
「スポーツ業界だからとか、世界で一番になるから〇〇の経験・スキルを求めているというように、何か特別なものを求められているわけではないです。どんなビジネスや目標であっても本質は一緒で、”いかに面白がりながら本気で取り組めるか”だと思っています」
本スクールで講師を務めるベイスターズの職員に話を伺った際、スポーツビジネスを志す受講生へのメッセージで揃って寄せられたのが、
「情熱を持った方と仕事がしたい」という気持ちの部分だった。木村社長も上述の言葉通り、”想い”を大切にしており、
「みなさん自分でモチベーションを持って自発的に動いているので楽しみながらできると思いますし、そういう人材が集まってる組織が強いと思います」