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「復帰したときに、どんな状態で戻るかを逆算してきました」リコーブラックラムズ東京 松橋周平 3度の靭帯断裂を進化に変えた不屈のストーリー

昨年、3度目の大怪我と戦場への帰還

トップリーグ最終年の2020−21シーズンは5位タイとなり、松橋を中心としてチーム力は確実に上がっていた。

そして2021−22シーズンからは新リーグ「NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE」(以下、リーグワン)が発足。松橋はチームの主将を明大の後輩・武井日向へと引き継ぎ臨んだ。

しかし、松橋にとって22年はまたもや試練となる年となってしまった。3月12日、第9節の神戸コベルコスティーラーズ戦での試合中の出来事だった。

「ディフェンスに行こうとしていて相手が来るのは分かっていたのですが、足だけ残ってとらわれて右膝が入ってしまいました」

ここでの検査結果はまたしても「右膝前十字靭帯断裂」

3回目となる手術そしてリハビリを強いられることになった。ただ、インタビューでは「リハビリのプロフェッショナルになりましたよ」と明るく語るなど、過去2度乗り越えた精神は伊達ではなかった。

「僕は復帰したときにどんな状態で戻ってきたいかをイメージして、そこから逆算してリハビリやトレーニングに取り組んできました。それが一番大変なのですが、むしろやりがいと感じています。

一度チームを離れてしまっているので、強くなって戻らなければいけない。しかも改善できるチャンスがあるわけです。自分と向き合えるので。それを無駄にしたくないですから」

リハビリを”チャンス”と前向きに捉えた

その前向きさを失わずリハビリに励み、同年12月から開幕している今シーズンは開幕戦から出場した。2月4日の横浜キヤノンイーグルス戦を最後に戦列から離れシーズンを終えてしまったが、来シーズンからの復帰に向けて鍛錬を続けている。

影響力ある選手になるために「必ず日本代表に返り咲く」

学生時代から3度の大怪我から復活を果たし、パワーアップしてグラウンドへと帰ってきている松橋。ブラックラムズを優勝に導くだけでなく、個人としてもまだ”忘れ物”がある。その想いを語ってくれた。

「もちろん日本代表に戻ってプレーしたいです。『松橋はもう日本代表には入れないんじゃないか』と思われているかもしれません。でも、そこに対しては『絶対見てろよ』と。

必ず戻って日本代表として返り咲きたいですし、多くの方に良い影響を与える人間になりたいと思ってますので、代表への想いは常に持ち続けてやっていきたいです」

日本代表への返り咲きも目標の1つである(提供:リコーブラックラムズ東京)

そして、これからも続く松橋周平のラグビー人生、これからどう送っていきたいかを訊いた。

「僕はラグビーが本当に大好きです。自分がブラックラムズに入って情熱を持って取り組んでいるので、その情熱で周りの人たちに影響を与え続ける。さらに結果を出すことで影響の輪が広がっていきますので、たくさんの方たちに影響を与えられるラグビー選手になってきたいです」

まだまだ松橋のラグビーの灯は輝き、決して消えることはない。今シーズン途中で離脱し、チームも7位で終えた悔しさは、来シーズンの開幕戦からピッチで晴らしていく。

(おわり)

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