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地域とファンと共に歩むノジマ相模原ライズが主催する「サンライズフェスタ2023」

6月24日(土)、相模原ギオンスタジアム(神奈川県相模原市)にて、ノジマ相模原ライズの自主興行試合となる「サンライズフェスタ2023」が行われる。

対戦相手は、九州に拠点を置くotonari福岡 SUNS(サンズ)。お互いのチーム名から「サンライズフェスタ」と銘打って開催される。

自主興行試合は一般の試合とは異なり、集客から試合の運営・設営までをすべてを自チームで行うため、多くの労力とマンパワーを要する。

そんな労力のかかる自主興行試合「サンライズフェスタ2023」をなぜ行うのか?

そして、「サンライズフェスタ2023」に懸ける意気込みや試合を通じて伝えたいことなどを、ノジマ相模原ライズの代表・石井光暢さんに伺った。

otonari福岡 SUNSとの共感で始まった地域を巻き込んだ交流試合

「サンライズフェスタ」は昨年、2022年6月にotonari福岡 SUNSの自主興行試合として福岡県で第1回目が行われた。

otonari福岡 SUNSは、2017年に創設されたアメフト界でも比較的新しいチームだ。それでも、2022年には早くもノジマ相模原ライズと同じトップカテゴリーとなるX1SUPERへの昇格を果たすなど、今勢いのあるチームとも言える。

otonari福岡 SUNSは、「九州におけるアメリカンフットボール文化の創造」を理念の1つとして掲げている。創設時よりゴミ拾い活動や地元の小学生相手にアメフト体験会を行うなど、地域に根差した活動を行っていた。

そんなotonari福岡 SUNSの地域に対する熱量に触れ、理念に共感したノジマ相模原ライズが手を組む形で、昨年6月に交流試合が決定。ノジマ相模原ライズの九州初上陸となった交流試合は白熱し、大きな盛り上がりを見せた。

そして、開催場所を入れ替えて、ノジマ相模原ライズのホームタウンである相模原ギオンスタジアムにて、2回目となる交流試合「サンライズフェスタ2023」が開催されることとなった。

「自主興行試合はコストもマンパワーもかかるが、地域のチームとしてやっていかなければならないと思っている」と石井さんは語る。

昨年の交流試合の様子:ノジマ相模原ライズ公式TwitterよりPhotographs by Kohei SAEKI ©Official RISE pics

地域とファンと共に歩むノジマ相模原ライズ

ノジマ相模原ライズは、「社会情勢に左右されない、地域とファンと共に歩むプロフェッショナルクラブ」を理念に掲げており、創設時より地域に根差した活動を行ってきた。

ノジマ相模原ライズの創設は2009年3月。前身チームのスポンサー企業がリーマンショックの影響で厳しい財政状況となり、急な解散を強いられることになった。そんな中、前身チームに所属していた選手・スタッフが50名ほど残り、代表の石井さんを中心に「相模原ライズ」を立ち上げ、再出発することになった。

ホームタウンは前身チームで練習拠点としていた神奈川県・相模原市。今後、クラブが生き残るには、本当の意味での地域のクラブチームになるしかないと考え、チーム名にも相模原を付けた。

リーマンショックに大きく影響を受けて、再結成された相模原ライズだからこそ、「社会情勢に左右されない、地域とファンと共に歩むプロフェッショナルクラブ」というビジョンを掲げている。

Xリーグ3部からの再出発となった相模原ライズは、最短で1部リーグに昇格。2011年4月には相模原創業の株式会社ノジマとスポンサー契約を結び、「ノジマ相模原ライズ」となった。

再びトップリーグへ駆けあがった「ノジマ相模原ライズ」だが、地元・相模原市の小学校への挨拶運動やゴミ拾い活動など、地域に根差した活動も欠かさずに続けている。

しかもこうした地域活動の多くは練習後に行っている。ノジマ相模原ライズに所属する選手・スタッフのほとんどは、平日は通常業務があり、アメフトの活動は基本土日のみになる。限られた時間の中で、また試合で勝つために必要な厳しい練習の後に地域活動を行っているという。

小学生を対象とした体験会の様子。写真は2年目の池田卓弥選手:ノジマ相模原ライズ公式Twitterより

コロナ禍を経て、快進撃を続ける2023年

そんなノジマ相模原ライズも、世界的に猛威を振るった新型コロナウイルスの影響で活動が大きく制限され、アメフトの試合をはじめ、これまで行ってきた地域活動も制限を余儀なくされた。

それでも、コロナの流行が落ち着きを見せ始めた昨年から、国の方針に従いながら、徐々に地域活動を開始。昨年には、小田急電鉄とコラボをして、サイン会やアメフトの体験会を行った。

さらに2023年は、スポーツにおいても、国の感染対策ルールが大きく緩和。コロナ禍では、試合後に観戦したファンへ直接のお礼ができず、石井さんももどかしさを感じていたが、今年からはコロナ前のように試合後のお見送りができるようになった。

そして、コロナの影響で2020年以降は中止となっていたパールボウル(春季公式戦)の開催も決まった。4年ぶりの開催となったパールボウルでノジマ相模原ライズは、順調に勝ち進むと、準決勝で強豪・富士通相手に16対13で勝利。創部初となるパールボウル決勝の舞台に駒を進めた。パールボウルでは過去何度も準決勝まで勝ち進んでいたものの、準決勝で涙を飲んできた。今年は、その“準決勝の壁”を打ち破った。決勝は惜しくも敗れたが、チームの歴史に新たな1ページが刻まれた。

「サンライズフェスタ2023」の開催は、パールボウル決勝のわずか1週間後だ。今勢いのあるノジマ相模原ライズの試合が楽しめるだろう。

選手と喜びを分かち合う代表の石井さんと前主将の笠井英治選手

アメフトの素晴らしさを伝えたい

最後に、「サンライズフェスタ」を通じて、伝えたいメッセージについて、お話を伺った。

「勝ち負けも重要だが、それ以上にフットボールの素晴らしさを知っていただきたい」

と石井さんは語る。

今回の自主興行試合には、地域の人にアメフトを身近に感じてもらいたいという狙いがある。

試合前には、アメフト鬼ごっこなど、アメフトをより身近に感じてもらうイベントが用意されている。

試合では、どんな選手でも、創意工夫と努力次第で活躍できるというアメフトの魅力を感じてほしいと語る。

アメフトと言えば、身体の大きい選手の活躍が目立つイメージのあるスポーツだが、実は身体の小さい選手が活躍できるポジションがあるスポーツでもある。実際にノジマ相模原ライズには、185センチ超の選手が多く在籍する一方で、160センチ台と比較的小柄な選手も在籍している。アメフトには、ワイドレシーバーなど小柄な選手でも活躍できるポジションがあるからだ。

その他にもパスや連携といったチームプレーが重要視される点など、アメフトには、多くの魅力が詰まっている。

そして、石井さんが一番見てほしいと言うのは、選手の本気で真剣になって取り組む姿だ。ノジマ相模原ライズは熱いチームだと言われている。大人になってまで真剣に取り組んでいる姿を特に子供たちに見てほしいと石井さんは語る。

そんなサンライズフェスタは、相模原ギオンスタジアムにて、6月24日(土)午後1時にキックオフとなる。

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