車いすでもプレーできる!「まぜこぜ野球」合同練習会
会の説明を行う日本ダイバーシティ・スポーツ協会の中垣会長。聴覚障がいの方も参加しており、手話も交えて行われる
2人は中垣会長が新たに立ち上げた「車いす野球」立ち上げのきっかけとなった子どもたちです。もともと少年野球をやっていたのですが、事故や病気で車いすになって野球ができないことにふさぎ込んでしまったため、お母さんたちから「何か野球をする機会はありませんか」と相談を受けて動き出しました。
説明の後、各々が好きなポジションに就いてノックが行われ、車いすの子どもたちはいずれも3塁に。手前に弾むバウンドも難なく捕球して1塁に送球するなど軽快な動きを見せました。
難しいバウンドも見事なグラブさばきで捕球する。横に抜けそうな球もグラブで止めた
ノックは1塁への送球の後、2塁⇒1塁に投げるダブルプレー、そしてバックホームの練習と順番に行われます。楽しむことはもちろん、試合を想定した質のある内容になっています。いいプレーには拍手して褒めたたえ、惜しくも届かなかったときには「もう一丁!」とグラウンドにいる全員で声を掛け合い、活気があふれていました。
二塁手と遊撃手のダブルプレーの練習。決まったときには「ナイスプレー」とみんなで大きな声が飛んだ
最後のバックホームでの送球。全力で捕手のミットに投げ込む
ノックで体が温まったあとは紅白戦が行われます。ここでは外野に飛球がノーバウンドで飛んだらアウトという特別ルールを設け、参加者全員が野球を楽しめるように工夫を凝らしました。
打席ではバットを短く持って打球を弾ませるなどルールの中で考えながら試合を楽しんだ
打球を転がして内野安打になったときは両手を挙げて喜んだり、アウト覚悟で飛ばそうとする打者にはブーイングが飛ぶなど、各打者に大きなリアクションが起きます。そして車いすの少年たちも打席でフルスイングと全力疾走を見せ、この日一番の盛り上がりとなりました。
投手が投げ込んできた球をきれいにはじき返す。打った後1塁へ全力で駆け抜けた
グラウンドが沸くほどのフルスイングを見せる少年。こちらも負けじと打ったら全力で1塁へ
そして最終回には少年がマウンドに。投球はいずれもノーバウンドで捕手のミットに収まり、無失点に抑えるなど見事な締めくくりとなりました。
最終回は投手としてマウンドに。すべて全力投球で打者を抑えた
イベント終え、中垣会長は次のように語りました。
「この形が僕の理想です。もっといろんな人が混ざって欲しいなってのもありますし、スポーツの原点だと思っています。これからも定期的にやりたいです」
終了後のミーティング。充実感であふれていた
子どもたちの感想については「めちゃめちゃ楽しかったと言ってくれました。1人の子は病気になってからはじめての野球で約2年ぶりなんです。2年前のグローブだから小さいって笑。でもすごく楽しくやってましたね。喜んでくれてたんでよかったなと思います。親御さんもめちゃめちゃ喜んでくれて。野球のできる環境はあの子たちにも必要なので、そういう環境を作ってくのが僕の仕事なのでこういった機会、そして競技人口も増やしていきたいです」
ハイタッチで迎えられる少年。イベント中は2人とも笑顔がたくさん見られた
1つ1つのプレーに拍手や声援を送り、参加した方全員が笑顔で野球をするなど、競技の時とは違うシーンで印象深かったです。
休憩の間でも投球練習をしたり素振りをしている姿もあり、みんな野球が好きというのがとても伝わってきた2時間でした。
今後、このような機会がさらに増えることを期待したいです。
◆特定非営利活動法人日本ダイバーシティ・スポーツ協会HP
http://www.diversity-sports.org/
◆市川ドリームスターHP
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