チームの結束力とアナリストの分析力を武器に戦う―大阪国際大学 女子バレーボール部―

 学生スポーツは卒業や入学が毎年あるため、1年ごとにメンバーが入れ替わる。そのため、毎年新たにチーム作りをしていく必要がある。こうしたことは一見効率が悪いようにも思えるが、毎年チームがいろいろ試行錯誤しながら新シーズンを迎えることができるという点では、選手にプラスに働くことも多いのではないだろうか。

 現在、関西 大学バレーボール連盟の第1部でプレーしている大阪国際大学バレーボール部は、苦しい2025年シーズンを終え、来る2026年シーズンへ戦力アップに励んでいる真っ最中である。

 新キャプテンの竹内朱音 (たけうち あかね ・3年・京都橘高校出身)さんとアナリストの中東朝香(なかひがし あさか・3年・奈良女子高校出身)さんに、来シーズンへ向けた思いを聞くことができた。

2枚ブロックが大阪国際大学バレーボール部の武器

悔しい試合の多かった2025シーズン

12月に2025年の公式大会がすべて終わり、来年に向けての新体制がちょうどできたばかりだと伺いました。新キャプテンになられた竹内さんから見て、今年はどんなシーズンでしたか。

竹内朱音(以下、敬称略)「チームの持っている力を出し切れず、悔しい結果になったことが多いシーズンでした。特に緊迫した場面で結果を出せないことが多かったです。今年のチームは、4年生が少なくて、1年生から3年生が多かったので、今年の経験を来年に生かしたいです。」

今年の学年別の人数というのは、どのような感じだったんですか。

竹内「1年生が5人、2年生が5人、3年生が6人、4年生が4人です。」

そうなると、来年もほとんどのメンバーが残ることになりますね。では、新キャプテンとして、来年の目標を聞かせてください。

竹内「チームスローガンはTOPです。具体的な目標としては、全日本インカレで3勝、そして関西1部リーグで春と秋の両方で優勝することの2つになります。  

 私たちのチームは、絶対的なエースがいるチームではありません。その分、チーム全員が前に出て戦うことになりますし、全員がチームにとって何ができるのかを常に考えて動くことが必要になります。具体的な戦略としては、粘り強さを生かしたディフェンスを強化して、それを攻撃力に変えることになります。」

中東さん、アナリストの目から見た大阪国際大学女子バレーボール部の特徴とは、どのようなものでしょうか。

中東朝香(以下、敬称略)「チームの結束力が強いためなのか、自分たちよりも技術的に上回っている相手にものすごい爆発的な力を出して、試合を勝ってしまうことがあるチームです。でも、私としては、自分たちより力のあるチームと対戦して勝つことができるのだから、もっと全体の勝ち星を増やすこともできると考えています。

 また、今シーズンの後半から、私たちのブロックが強力になってきました。特に2枚ブロックが強くなって、そこから自分たちの攻撃につながるようになっきたことが、新たなチームの特徴になってきていると思います。

 そして、比較的少人数であることも関係しているのか、チーム内で先輩後輩関係なく意見を伝えることができることも、大きな特徴だと思います。学校によっては、後輩が先輩に話をするのが難しい雰囲気のところもあったりするのですが、私たちのチームはそうではないので、そうしたなんでも話し合える雰囲気というのが、チームの結束力を生み出す一つの理由なのかもしれません。」

竹内さん、キャプテンとして、自分のチームの特徴はどのようなものだと思いますか。

竹内「このチームは、練習にしても他のことにしても、やらされてやっていることってないんです。つまり、みんな自分はこれをやると決断してやっているんです。そのせいか、自分自身にしっかり向き合って成長できる場のように思います。成長したいという強い気持ちを持った人が多いことが、特徴の一つだと思います。」

勝利に向けて、高く飛び、鋭いアタックを決める。

アナリストの適性とは

中東さんはアナリストとして、このチームで活動されていますよね。今、多くのスポーツでアナリストと呼ばれる人の仕事が増えています。中東さんの経験を通じて、どんな人がアナリストに向いていると思いますか。

中東「分析力があるとか、頭の回転が速いといったことは前提条件として必要なことであるとは思います。

 そうしたことに加えて、私はアナリストにはチームの中で2つの役割があると思っています。一つは監督やコーチと話す役割、もう一つは選手と話す役割です。監督やコーチとアナリストが話すときには、集めたデータからわかることを、正確に伝えることがまず必要になります。また、多くのデータからわかった、たくさんのことを伝えることが多いように思います。 

 もちろん、選手と話すときにも正確さは必要です。でもそれと同じくらい、選手に伝わるように話す必要があります。選手に伝わらない情報は、全く意味がありません。だから伝えるべき情報を厳選して、選手が理解できるかたちで話します。また、選手にアナリストの情報が伝わっている状態とは、具体的には、実際に試合で選手がアナリストからの情報を生かしたプレーを実行できている状態だと思います。だから、実際に選手が試合の場で動けるようになって、初めてアナリストの仕事がうまくいったと言えるのではないでしょうか。

 また、実際の試合では、アナリストが予測していた作戦とは異なる動きを選手がする場合も多々あります。そうしたときでも、なんで分析通り動かなかったのかと選手を責めるのは良いアナリストではないでしょう。それより、こうしたことがあったから、動きが変わったんだよね、と選手のプレーの理由を理解して話せることが、アナリストとして必要な適性だと思います。」

この瞬間のために、チームが一つになる

のびのびと、上のレベルを目指す意思

4月からお二人とも4年生になりますね。自分たちの後輩に、伝えたいこととは、何ですか。

竹内「バレー部は監督との距離も近いですし、最初にお話しした通り、先輩後輩の上下関係も強くはありません。その分、のびのびと自分の力を発揮しやすい環境だろうと思います。だからこそ、常に上を目指す気持ちや自らが率先して動く気持ちが必要になります。

 また試合では、サーブで攻めて、ブロックで相手を仕留めるのがこのチームの基本となる戦略なので、その精度をあげることを意識していって欲しいと思います。」

中東「アナリストとして言うと、来期はブロックとレシーブの関係をしっかりと作ることが結果を出すために必要ですし、それが粘り強いプレーになると考えています。

 学年の壁がなく、だれでも意見を言えるチームなので、互いの信頼感も生まれやすいチームだと思います。その信頼感が粘り強いプレーに変えられれば良いですね。」

4月から新入生が大学に入ってきます。その中には、高校時代にバレーをしていたけど大学でプレーを続けるか迷っている人や、バレーを見るのは大好きでも、選手としてプレーしたことはほとんどない、という人もいるかもしれません。大阪国際大学女子バレーボール部で、そうした人が活躍できそうな場はありますか。

竹内「あります。バレーボールが好きという人であれば、プレー経験の有無や長さに関係なく、必ず活躍できる場所がうちのバレー部にはあるので、ぜひ練習や試合を見に来て欲しいです。

 また、最初はプレーヤーとしてバレー部に入っても、在学中にスタッフ側に回る人もいたりするので、自分がどこまでプレーできるかトライしてみたい人も是非来ていただければ嬉しいです。」

中東「大学の体育会の部活って、本当にやることがたくさんあります。練習や試合の準備はもちろん、SNSなどの広報活動も自分たちで対応することになります。ほかの大学と連絡を取ったりすることも増えます。私もアナリストという役割はありますが、実際にはいろいろな仕事を兼任しています。

 だから、プレー以外でも、チームのためになることをたくさん経験できます。もちろん、アナリストになりたいという人がいたら、私も全力でその人をサポートします。

 中には、バレーは好きだけど、自分にどんなことができるのだろうと不安に思う人がいるかもしれません。でも特にこれといった特技がなかったとしても、例えば、もしも『あの人がいるとなぜか周りが明るくなるし、選手やスタッフが元気になるんだよね』という人がいたら、私はそういった人にこそチームに、そしてベンチに入って欲しいと思っています。

 大阪国際大学で大学生活の4年間を充実させたいなら、ここのバレー部はおすすめだよ、あなたを生かせる場がきっとあるよと、来年の新入生のみなさんに伝えたいですね。」

皆で勝つために、思いを伝える。

 自分たちの武器と改善点を正確に把握し、地に足の着いた方法で、今以上に強いチームになる方法を考えている竹内さんと中東さん。大阪国際大学女子バレーボール部の強さの源が垣間見られるような、インタビューとなった。

 より強く、そしてより高いレベルのプレーができるチームへ。大阪国際大学の2026シーズンは、もう始まっている。

(写真提供 tomoさん/大阪国際大学女子バレーボール部) 

(インタビュー・文 對馬由佳理)

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