かっこいい!未来のサッカー少年を育てる「パパの本音」
場所は「しんよこフットボールパーク」
となりの日産スタジアムでは天皇杯で横浜F・マリノス vs ガンバ大阪の大歓声が聞こえる中、ここで少年たちのサッカー大会が行われているとの噂を聞いてやってきたのだ。
なんとこの大会、「小学5年生の選手」のための大会なんだとか。
しかも今年で17回目の開催!
「ガチアーズカップ」とも呼ばれるこの大会。
「あざみ野FC」の理事でもある水沼貴史氏 (元日本代表のプロサッカー選手)が立ち上げた地域を越えた「小学5年生の選手」のための大会である。
<参加チームは以下の通り>
札幌ブロックトレセンU-11
鹿島アントラーズ ジュニア
鹿島アントラーズつくば ジュニア
ヴァンフォーレ甲府U-12
福井市モデル地区トレセン
大宮アルディージャ ジュニア
新座片山フォルティッシモ少年団
東京ヴェルディ ジュニア
横河武蔵野FC ジュニア
川崎フロンターレU-12
横浜F・マリノスプライマリー
あざみ野FC
ご覧の通り、Jリーグジュニアチームや北海道など遠方から選抜・参戦されている。
試合は2日間に分けて行われ、大人でも疲れ果てそうな日程なのだが。
このJクラブでは「子供たちの自立心を育てる」がモットーになっているんだとか。
プレー・技術だけでなく、自己の振り返りや自分を支えてくれる人への感謝の気持ちを伝える大切さもしっかりと教育しているらしい。
さて、そんな子ども達のプレーを見てみると…
さすが、全国から集められた選抜メンバー!
試合の展開もスピーディーで、かなり見応えがある!
そんなわけで、今回はこの大会を主催する「あざみ野FC」の代表の方々にインタビューをお願いし、貴重なお話をたくさん聞くことができた。
「小学校5年生」にこだわる理由とは…
「今日は、インタビューの機会をいただきまして、ありがとうございます!」
「よろしくお願いします」
「いきなりですが、林さんが『あざみ野FC』の運営に参加したきっかけはなんですか?」
「たまたまタウンページのようなもので募集をみつけ、倅が入会し、ほどなくして指導を始めたんです」
「えっ(タウンページ?)」
「2000年冬ごろから16年ほど指導していますね。週末の半分以上を活動に費やしてます」
「(凄い…!)そこまで続けられるモチベーションって、なんですか?」
「仕事も順風満帆な頃に始めたんです。高校のときに怪我でサッカーを断念し、その思いが残っていて。子供が好きということも当然あります」
「なるほど。『あざみ野FC』は町のサッカークラブですが、どうして町クラブを選んだんですか?」
「神奈川には、本気でサッカーをやりたい子供たちのためにJリーグのジュニアクラブが多くあります。でも、そこにいけるのは一握りの子供たち。そんな中で、キラっと光る町クラブがあってもいいと思ってるんです」
「なるほどー!」
「勝負にもこだわりつつ、家族との絆、家族と一緒に頑張る、というところが大事だと思ってるんです」
「かっこいい(涙)。。あ、この大会について、詳しく聞かせてもらってもいいですか?」
「今年で17回目です。恐らく我々のような町クラブでやっている招待杯では、かなりのレベル、規模だと思います」
「ですよね。全国レベルの子供達をこれだけ集めるだけでも、大変そうです…」
「ひとえに水沼貴史さんの人柄、人脈、実績ですね。注目してもらいたいのは、Jリーグだけでなく、福井トレセン(トレセン: 地域の選抜チーム)、札幌トレセンなど、新幹線や飛行機でないと来られないチームも、常連チームとして参加して頂いているということです」
「他のチームも本気なんですね!5年生にこだわるのは、何か意味があるんですか?」
「ジュニア年代の最後となる小学6年生になる前に自分の立ち位置を知る。そういう意味で小学5年生というのは非常に大事なキーポイントになると考えてます」
「メモメモ」
「これまでは6年生の夏に最大の大会があったんです。つまり、半年前が『自分を知る』最後のチャンスだった」
「たしかに」
「でも、最大の大会が冬の開催になり、子ども達はこれから1年間、自分を振り返る時間ができます」
「自分で立ち止まって考える。子どものうちにこそ、そういった機会を作ってあげるのが大事なんですね」
「はい。最近は他のチームも、いつになったら入れてくれますか?を声をかけてくれるとこもありまして。今後も、大会の規模を少しずつ広げていきたいです」
「いろいろと勉強になりました!ありがとうございます!」
「こちらこそ、ありがとうございます」
(うぅ。。めっちゃいい人だった…!)
一方、子供たちのパパにも戦いが…
続いてお話を聞いたのは…大会に参加しているお子さんのご両親たち。
日頃パパコーチとしてあざみ野FCに参加している(2年生の)お父さんが大会の見学にきており、お話を聞きました。
「よろしくお願いします!」
「はい、なんでも聞いてください」
「この大会には、パパコーチとして参加されているとか?」
「えぇ。パパ友にコーチを頼まれたのがきっかけなんです (笑)」
「パパ友ネットワークすごい…。どれぐらいやられてるんですか?」
「コーチを始めて2年ですね。自分が関わるからには、チームを強くして勝ちたかったんです」
「おぉ」
「私が担当したのは、Bチームで。子供は格上のAチームに所属してたんです。で、どうしてもAチームに勝ちたかった」
「えぇ?」
「下克上を目指したんです。それも公式の試合で。自分の子供 (Aチーム) をギャフンと言わせたかったんですよ」
「なんか、すげぇええ」
「土日は相当費やしてますね。だから、正直家庭とのバランスは大変です。実際、奥さんにも『そろそろいいんじゃない?』なんて言われたり(笑)」
(凄いぶっちゃけてくれてる…!)
「だから、今は土曜日は控えてます。自身も多少休みたいので(笑)」
「ですよね」
「最近は秋の大会に向けて、春以降から秋までトレーニングマッチを毎週組んでいたので本当に時間がなかったですね。でも、どうしても秋の大会で勝ちたかった」
「そのやりがいは、どっからくるんですか?」
「うーん。やっぱり自分の子供の成長が見られるのは楽しいです。ただ自分の子供のコーチはしないで任せてます」
「え?どうしてですか?」
「自分の子供にはどうしても厳しくなってしまうんです。一度トレーニングマッチでキツく言ってしまって…。たまに一緒に試合に行くこともあるが、とにかく言わないように我慢です。そうすることで、子供との関係もよくなりましたから」
「すごい。。」
(親御さんも子供達もまさに真剣勝負…!)
「チーム全体を見ていて今後の課題とかってありますか?」
「チーム内のレベルの差の大きさは課題の一つかなと。親御さんたちの温度感も全然違いますから」
「なるほど」
「一緒に行って試合をすると、結構大変なんです。親御さんによっては『行って試合に出られないぐらいなら練習させてほしい』と仰る方もいらっしゃいますし。逆に全員を試合に出そうとすると、Bチームの親御さんから『勝てない』という意見がもれてきてしまう。このバランス感が非常に難しい」
(こりゃ、大変そうだ…)
「子供たちも、ボールをさわって楽しいってレベルと、うまい子の試合を見て感化される子と、それぞれです。だから、コーチの役割は大きいんです。その調整役としてね」
「子供達と、親御さんたち、それぞれの思いとバランスが…」
「そうです。そこがやりがいでもあるんですけどね(笑)」
「めっちゃかっこいいです!インタビューありがとうございました!」
「はい。ぜひママたちの話も聞いてあげてください。もっと色んな思いがあると思いますよ」
(ゴクリ…!)
ということで、次回は…
未来のサッカー少年たちを育てる「ママたちの本音」をお伝えします!
お楽しみに!
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スポチュニティコラム編集部より:
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