社員x YouTuber x アスリート…異色の社員YouTuberが挑むアスリートとの協働『アスリートはフィールドが異なる同志』

『YouTuber』――。この言葉を聞くと、まず頭に浮かぶのは「やってみた」系の動画や実況動画の配信者、という人も多いかもしれない。近年は迷惑系YouTuberが世間を騒がせたり、多くの芸能人が自身のチャンネルを開設したりと、様々な立場のYouTuberが活動を行っている。

その中、事業会社に所属し、会社が公認する「社員YouTuber」としてアスリートとの対話や支援を行なっている男がいる。株式会社クレディセゾン所属のサイソンKAZUYA氏だ。
先日もJリーガー小池純輝選手、梶川諒太選手(共に東京ヴェルディ所属)らが取り組んでいる『児童養護施設の子ども達へ体験を届ける畑づくり』プロジェクト(一般社団法人F-Connect)をスポンサーとして支援。活動を強く後押し。最近では恵比寿駅西口のデジタルサイネージで自主製作CM<挑戦のない人生なんて、面白くない。>を放映し話題となった。

サイソンKAZUYA氏が所属するのは金融系企業。ともすれば堅いイメージのある業界だ。その中で、会社公認のYouTuberとして活動。しかもその活動領域はスポーツ領域――どういう経緯で、なぜ取り組んでいるのか。クレディセゾン初の社員YouTuberとはどんな存在なのか。ユニークな取り組みの詳細を伺った。

社名を背負うYouTuber

現在、「サイソンKAZUYAチャンネル」を展開するサイソンKAZUYA氏。チャンネルではサッカー日本代表や五輪メダリスト等、数多くの著名アスリートとの対談動画を提供している。

サイソンKAZUYA氏の「サイソン」は所属する会社、クレディセゾンの英字表記『Credit Saison』からとったもの。まさしく、社名を背負って活動する公認YouTuberだ。現在はデジタルイノベーション事業部デジタルマーケティング部に所属、本業としてYouTuber活動に専業している。

(サイソンKAZUYA氏)

社員YouTuberを生んだ社内ベンチャープログラム

YouTuberとしての活動は、社内のベンチャープログラムから生まれた。社員のアイデアを事業化するために、2019年度からスタートした社内ベンチャープログラム「SWITCH SAISON」。書類審査、プレゼン審査、役員審査—多くのハードルを乗り越え、215件の応募事業から唯一選ばれたのがサイソンKAZUYA氏のYouTuber事業だった。

「プログラム前は当社の最上級カードのプラチナカードの営業をやっていました。カード自体は私も利用していて、とても良いカードだ、という自信があったので、このカードをもっと広めたい、使って喜んでもらいたい、というのがありました。その中で、YouTuberの人とコラボして、動画内でカードを紹介する配信をやってみたんです。そうしたら反響も、実績もすごくよくて。これはいけるぞ、と」
「もちろん、配信の際には社内賛否両論ありました。『YouTubeでカードを売るなんて…』『できる訳ない、どうやって実績上げるんだ』みたいな声です。でも、当時は誰もやっていなかった。だからこそ可能性はあるし、挑戦したかった
「常に、人がやってない事を一番最初に挑戦したいと思ってます」

挑戦で得た確信を元に、ベンチャープログラムに応募。示した実績と熱意で、役員の理解もつかみ、事業化の権利を見事に勝ち取った。所属をしていた営業部門から、本社のデジタルマーケティング部に異動。本業として、YouTube事業の立ち上げに取り組むことになった。

(社内ベンチャープログラム最終審査会の様子。多くのプランの中から審査を乗り越えて勝ち取った)

軸となった、伝えたいアスリートの言葉

営業の一環として企画したYouTube事業。しかし現在、チャンネルに並んでいるのはカードの紹介や宣伝ではなく、アスリートが体験や視点を語る動画が中心だ。

「企業のアカウントで会社の営業をやっても、動画を見ている側はつまらないだろう、というのは思っていました。それよりも、(一見関係なさそうな)活動を通じて、こいつセゾンの社員なのに何やっているんだ、とか、大企業なのに公認YouTuberがいてこんな活動をしていて色んなチャレンジできる会社なんだ、って思ってもらう、というのを狙いにおきました。カードの紹介をするのは、例えば他のチャンネルに出た時でいい。まずは面白い人だな、面白いなこの会社、って感じてもらおうと」

チャレンジをする、というキーワード。サイソンKAZUYA氏の取り組みにおいて一番大切な部分だという。自分もYouTubeという企業内で前例のない新規事業に挑戦する状況。同じように挑戦することに思い悩んでいたり、一歩踏み出す勇気が持てない、と思っている人の背中を押したい。これをチャンネルのコンセプトとした。その時、頭に浮かんだのが、数々のアスリートの言葉だった。

「自分は体育会系で育ち、カードのお客様もアスリートや著名人の方が多く、仕事の中で話を聞かせて頂く機会に恵まれていました。その中で、普通では経験できない、比べ物にならないような苦労と、それを乗り越えた経験の話を沢山伺って、自分も勇気を与えて頂いていました。共通していたのは、ものすごい苦労の中で、苦労と感じさせず、常に前に前に向いていく姿勢です。こんな話を、自分だけに留めておくのはもったいないし、贅沢過ぎると思っていました。これをどんどん伝えていきたい、と思い、アスリートとの対談を軸にしました」

(チャンネルには各スポーツでのトッププレーヤーとの対談が並ぶ。写真は体操元日本代表の田中理恵氏)

アスリートから学んだ「失敗のとらえ方」

アスリートの困難への姿勢。これを力強く語ってくれた動画がチャンネル内にある、とサイソンKAZUYA氏は語る。千葉ロッテマリーンズで正捕手を長年務め、WBCでも活躍した里崎智也氏との対談動画だ。

「対談の中で、一番恐いのは挑戦しないこと、って語ってくれていました。他社や他人に先にやられてしまうことが一番恐い、という様な話です。だからこそ、常にクラウチングスタートできるように、何か言われたらすぐ挑戦する、という姿勢を持っているんだ、と」

失敗のとらえ方が違うんです。失敗した方がいい。失敗しないと分からないですし、失敗からしか学べないことも多い。(彼らの話を聞いていると)成功から学ぶよりかは失敗から学んだ方がいいんじゃないかな、と思います。自分ではすごく失敗した、って気にしていても他の人からすると大した失敗に見えないですし。そんなことを彼らから学びました」

(里崎氏との対談動画の一シーン。アスリートの言葉から学ぶものは本当に多い)

こだわるのは結果

挑戦する上で必ずぶつかる失敗。失敗もするからこそ、大事にしていることがある、とサイソンKAZUYA氏は語る。結果へのこだわりだ。

「ベンチャープログラムで事業をプレゼンした時も、その後事業化を進めている中でも、否定的な言葉は沢山あったと思います。「あいつなに好きなことやっているんだ」って。でも、実績を出していたので、何も言わせない、と思っていました」

セゾンに入社する前からアルバイト先でのセゾンカードの紹介件数で圧倒的な紹介件数の記録を出し続けた。入社後も1年目でカード獲得件数が評価され「レジェンド・オブ・クレディセゾン」という全社表彰式で受賞し登壇。これらの自信が、今の取り組みを支えている。

結果が全てだって常に思っています。いつでもどこでも結果がないと何も認められない。常に結果にこだわりは続けてます。結果を出せば周りが手のひらを変える。そんなことを何回も経験してきました」
「だから、事業化についても、結果を出すところは絶対何が何でもやってやるよ、とは思っていますね」

(結果にこだわりぬいてつかんできた実績が挑戦を支える、と語る)

アスリートは違うフィールドで戦う同志

挑戦を続けること、結果にこだわること。そしてその結果を元に、次のステージ、新しい挑戦を目指していくこと―その意味で、アスリートも同じだ、とサイソンKAZUYA氏は語る。

僕は自分を、『ビジネスアスリート』だと思っています。仕事で挑戦をし、結果を出す。そして、アスリートがプロや海外、といった新しいチャレンジを目指していくように、高い年収、高いステージに挑戦して上を目指していく、というのがビジネスアスリートです。僕も高いステージにどんどん挑戦し続けていきたいです。その為にも今も結果にこだわり続けています。

だから、アスリートは自分にとって、違うフィールドで戦う同志です。彼らはスポーツの世界で、自分はビジネスの世界で戦っています。そして結果を出すアスリートは僕にとって見本であって、僕の挑戦心をかき立て、奮い立たせてくれる存在です。

だからこそ彼らの取り組みを応援したい。応援できる立場ではないかもしれないですけど、微力ながら後押しし、一緒に挑戦していければと思っています」

まず目指すのはSNSの支社長。ゴールはない

サイソンKAZUYA氏が目指すのは、まずYouTube事業の更なる展開だ。現在のメインであるアスリートとの対談に加え、有名アスリートとのイベントなども仕掛ける。最近ではYouTuberとしては異例、サイネージ広告への自主製作CM<挑戦のない人生なんて、面白くない。>を投下、その他、体操元日本代表の田中理恵さんとの体操教室を公開するなど、新たな展開を行なった。しかし、その先には事業を通じて実現したいことを見据えている。

「まずは動画を通じて、よし、挑戦しよう、と一歩踏み出してくれる人を増やしていきたいと思います。それはチャンネルの視聴者ももちろんですが、会社に対してもです。社内もチャレンジしていいんだ、って雰囲気になってほしいですし、一緒に挑戦したい、一緒でなくても、こんな挑戦にあこがれてなんかやってみたい、って思った人にうちの会社に入社して欲しい。その為にも、セゾン=サイソンKAZUYAって存在になりたいと思います」
「次に目指すのはセゾンのSNS事業会社の支社長です。これは、ベンチャープログラムの頃からずっと支援をしてくれている役員にかけられた言葉です。「YouTuberで実績を出し、SNSの支社長になれ」これが僕の活動の糧になっています。彼をはじめ、仲間(社員)、家族は常に背中を押してくれる存在で、本当に感謝しています。彼らの期待に応えたいと思いますし、ハングリー精神をもって駆け上がっていきたいと思っています。でも、それもゴールはではない。常に走り続けます」

(7月に実施した田中理恵さんとの体操教室。動画で公開されている)

パイオニアを目指して

サイソンKAZUYA、とはどんな存在でありたいですか―この質問に、「挑戦し続ける人。常に新しいことをやる人。道なき道を走り続けていく存在かな。自分でもこれからどうなっていくのか楽しみで、ワクワクしています。是非注目してください」と笑いながら語ったサイソンKAZUYA氏。インタビューを通じて強く感じたのは、挑戦への想いと、アスリートへの同志としての尊敬だ。アスリートとの協働を通じて、お互いを高め合って互いの道を加速して走っていく―そんな未来の姿も少し期待してしまう。

今年の夏、アメリカメジャーリーグでは、一人の日本人選手が注目を集めている。誰しもが難しい、といった二刀流への挑戦。人々の想像をはるかに超える成績を上げ、皆の懐疑の声を称賛に変えていった。

社員x YouTuberの二刀流に挑むサイソンKAZUYA氏。結果にこだわり、道なき道を切り拓く。

(道なき道を切り拓く喜びを語るサイソンKAZUYA氏。挑戦を楽しみ、結果にこだわり、走り続ける)

<記事内紹介リンク>
サイソンKAZUYAチャンネル
サイソンKAZUYA氏 x 里崎氏対談「【仕事は遊び】全て楽しむ男里崎智也の仕事論」
自主制作CM<挑戦のない人生なんて、面白くない>
田中理恵体操教室(プレスリリース)

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