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「フィギュアスケートに学ぶ日本とアメリカの文化の違いとは?」現役スケーター対談が明かす驚きの事実

人気なマイナースポーツ:フィギュアスケート


 
近年、テレビで大々的に放送されたり、ニュースで取り上げられたりなど、
さらに人気に拍車がかかっているフィギュアスケート。
 
浅田真央選手や羽生結弦選手を筆頭に、
世界レベルで活躍しているスケーターは高い認知度を誇っています。
 
そして、フィギュアスケートといえば、
ダイナミックなジャンプを始め、個性の活かされた妖艶な演技にも魅了され、
ファンになる方も多いのではないでしょうか。
 
最近では、「スケオタ」というハッシュタグで
ファンの方のコミュニティが広がり、その知識量や分析力は、
スケーター以上にスケートを知る、と言ってもいいほど目を見張るのものです。
 
さて、ここまで聞くと、
「フィギュアスケートってすごい人気なスポーツじゃん!」
と思うかもしれませんが、実際の競技人口がどのくらいかはご存知ですか?
 
なんと、その数は少なく、

国内での現役スケーターは約4,000〜5,000人*1!

 
このようにオーディエンスには非常に人気がある一方、
スケーター自身の数はまだまだ少なく、その意味ではマイナースポーツに分類される、
というのはフィギュアスケートの特色の一つと言えます。
 
そんな現状の元、より多くのみなさんに
フィギュアスケートについて知っていただきたい、
そして、自分の長年のスケート経験を活かしたい、
という想いを込め、スケーター目線で記事を書かせていただきました。
 
 

インタビュー:日本で5歳から始めたスケートをアメリカでも

 
今回は、筆者である私の古くからのスケート仲間であり、
現在アメリカで現役スケーターとして活躍するTさんに
「日本とアメリカのフィギュアスケートの違い」について聞きました。
 

­­­アメリカである試合にて、出番直前のTさん
 

―― 早速だけど、実際に感じる日米のスケートの違いってなんだと思う?――
 
まず、練習のペースやスケジュールの立て方が違うな、とよく感じるかな。
 
簡単に言うと、
日本では、毎日たくさん練習して上手くなっていこうとするよね。
 
それに対してアメリカでは、
毎日やってたら辛くなる時もあるから、休憩しながらやっていこうとするよ。
 
 
―― スケートへの取り組み方についてはどう?――
 
多くのアメリカの学生は、
スケートだけじゃなく、他の色々な事に取り組んでいたりするよ。
 
アメリカでは、スポーツに力を注いでいても、学業を怠っていると、
学校を追い出されちゃう、なんてこともあるかな。
 
だから、アメリカで活躍するスケーターは、
スケートと学業の両立が出来ていると思う。
 
対して日本は、スポーツが出来ていたら、勉強は免除してもらえる風潮があるよね。
そこにアメリカと日本の違いを感じたかな。
 
 
――それは私もアメリカに留学していたからわかる。
アメリカの大学って、学生アスリートに対して学生チューターがいたり、
大学側も積極的に学生アスリートが学業と両立できるようサポートしているよね。――
 
そうそう。
あと、アメリカではオンアイスの練習だけじゃなく、
オフアイスのトレーニングとか、たまにはトレーナーの仕事もあるよ。
 
基本的に、スケート「だけ」をすることはないからね。
アメリカではシンクロナイズドスケートにも所属するTさんの実際の試合風景
 
 
――スケーターを支える環境面ではどう?――
 
スケーターを支える親の関与度に大きな違いを感じるかな。
 
日本では、親の関与度が大きいよね。
 
例えば、親が当たり前のように練習の送迎をしてくれる。
早い時は朝の6:00から、遅い時は夜の22:00過ぎまで、練習中も付き添ってくれる。
 
中には、自ら子供に厳しく指導する、怖いスケートママもいるようにね。
 
アメリカでは、 16歳から車の免許を取れることもあって、
毎日親が送り迎えしなきゃ!みたいなのはない。スケーター自身が運転できるからね。
 
 
――確かに、日本ではスケートママの存在が大きいよね。――
 
こういうのって、きっと日本とアメリカの幼少期の育ちの違いからくるのかな。
 
私たちは、泣きながらでも、なにがなんでも上手くなるために練習してたし、
毎日朝から晩までっていう厳しいルーティンの中でも、練習に耐え抜いてきたよね。
 
だからこそ、忍耐力とかメンタルの強さには確固たる自信があるじゃん(笑)。
 
アメリカのスケーターには、それに似たようなバックグラウンドが無いから、
それが練習への取り組み方やメンタル面に反映されている感じがする。
 
 
 

インタビューまとめ

 
Tさんとの対談の中でわかった、
「日本とアメリカのフィギュアスケートの違い」についてまとめると、
大きく以下の3つの違いがあるようです。
 

 
Tさんだけでなく、私の周りにいるスケーターの方々は、
拠点は日本でも、よくアメリカやカナダに短〜中期間で練習しに行きます。
 
彼らに、アメリカやカナダでの練習はどうだったか聞くと、
みなさんが口を揃えて教えてくれるのは、
 
アメリカやカナダでの練習は、
「きっちりオフがある。」
「オフアイスのトレーニングが重要視されている。」
といった練習ペースや取り組み方の違いです。
 
 
また、スポーツへの取り組み方に関しては、
文武両道を体現する海外スケーターのひとりに、
アメリカのネイサン・チェン選手がいます。
 
世界選手権2連覇、平昌オリンピック5位など、世界屈指のフィギュアスケーター。
それに加え、アメリカの超名門 イェール大学に通っており、学業でもトップオブトップ!
(開いた口がふさがらないぞ。。。)
 
 
さて、インタビューや自身のスケート経験を踏まえて、
このような日米のスケートの違いについて考えると、
私の中で、ひとつの仮説が思い浮かびます。
 
日米のお互いの良い部分を合わせたハイブリットな練習法
を取り入れるのはいかがだろうか。
 
たとえば、
幼少期から青年期に至る(15歳くらい)までは日本を拠点に練習し、
量をこなす練習の中で、基礎力や精神力を磨く。
 
青年期を迎えた辺りからは、アメリカに拠点を移す、
もしくは、アメリカ式の練習の練習へギアチェンジ。練習の質を重視する。
身体のメンテナンスを含め、休養やオフアイストレーニングを積極的に取り入れる。
 
そうすることで、忍耐力の備わった状態で、
身体に無理のない、且つ、学業とのバランスがとれたスケートができるのでは!?
 
あくまで筆者独自の仮説ですが、これにより、
スケーターひとりひとりが持つ選択肢が増え、
スケートはもちろん、他の様々なことでも彼らの可能性が広がることを願うのと同時に、
それをサポートしていけるように筆者自身も尽力していきます。
 
 
現在、確立はされていませんが、
将来的に、スケーターの年代やそれに伴う身体・精神発達に則した、
グローバルなスケート人生の歩み方が構築されると、
フィギュアスケートというスポーツが国内だけでなく、世界規模でも
今後、より著しく成長していく業界であると言えるでしょう。
 
 
*1参考文献:http://flip-flop.world.coocan.jp/genneki.html

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SK8ライター
5歳でフィギュアスケートに出会い、 ノービス時代には全日本大会への出場経験や、 全日本野辺山合宿への参加経験もあり。 中学時代までトップをめざし、スケート一色の毎日。 高校入学手前でのケガをきっかけに、スケートから一歩離れ、アメリカへ留学。 数回の留学を経て、スケート以外での自分の長所を英語に見出す。 *帰国後はTOEIC900点越え達成、米国領事館の通訳ボランティアとしても活躍。 留学で学び得た、英語力と主体性の大切さを、より多くのアスリートに伝え、 彼らの可能性や人生の選択肢を広げるサポートをしていきたいと奮闘中!


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