「これからの日本を支える子を預かっている」~関西大学自転車部・監督インタビュー記~

「関関同立」と形容される西の名門・関西大学。
この大阪府吹田市にある学舎で、若干20名の若者がインカレ優勝に向けて「ペダルを踏んでいる」
今回はそんな彼らの「明日への高回転を」を支える、関西大学自転車部・監督に自転車部についてインタビューを行った。

――監督、本日はよろしくおねがいします。まず、「関西大学自転車部」とはどんなチームですか

関西大学の体育会に所属する自転車部で、昭和38年創部で伝統ある部活です。
部員は総勢40名程、「レース班」「BMX班」「ツアー班」「サッカー班」など
複数のチームに分かれて活動しています。
今回、クラウドファンディングを利用するのは「レース班」で約20名が在籍しています。

――「レース班」は皆さん自転車競技経験者ですか

いえ、経験者はほとんどいません。現在は、5人がスポーツ推薦経験者、15人が初心者です
初心者の中には高校時代帰宅部だった子もいます。

――全日本大学対抗戦(インカレ)制覇を目標に活動されているので、ほとんど経験者で構成されているものと思っておりました。

もちろん、未経験者でハードな練習に最初はついて行けなかった子もいました。
平日は朝から自主練して、そのまま食堂でご飯を食べた後は授業を受けて、放課後も練習。ただし、全員しっかりアルバイトもしています。
週末は遠征に行ってレースというサイクルなので大変だと思いますが、現役の先輩、卒業したOB達をロールモデルに頑張っていますよ。

――やはり、先輩達への憧れが力になるんですね

はい、皆卒業して立派な大人になっています。
自転車部での鍛錬を通じて立派な大人になってほしいというのが、インカレ制覇ともう一つのミッションです。
優勝するためのプロセスを自ら考えて、「PDCA」を回せたか、そして自分だけで終わるのではなく、10年後の後輩たちのために何ができるのか、
自らの敗戦さえも未来の後輩の為の糧になるように考えてもらう。こういう先輩達がいるからこそ、未経験でも辛い練習も耐えて活動できるのではないかと思います。

――その様な共通認識を通じて成長しているとうことですね。では、自転車競技自体のどんな所が若者を成長させますか。

「細い子でも活躍できる所」「タイムじゃなくて順位を競う所」ですね。
前者については、うちでは高校時代帰宅部だった子がいたり、競技未経験者がほとんどです。
自転車競技は大学から競技を始めても遅くないかなと。また、他のスポーツと比較して小柄な子でも頑張れば報われるスポーツではないかと思います。
なので、色んな子がチャレンジしたことによる成長経験を、実感できる所が良いですね。

後者については、社会と同様に自転車競技は順位で評価されるからです。
学生達は長い準備期間を経て、約180kmのロードレースに挑みます。長丁場のレースの中で凄く良いトライをすることもあれば、ミスをすることもあります。
しかし、その過程は関係なく最終的な順位が全てです。この「日々の練習~レースで最終的な順位が決まるまで」の流れが、社会の縮図のように思います。
学生は自転車競技の経験を通じてこういった苦楽を味わうからこそ、立派に成長するのではないかと思います。
なので私も「ただ運動部の顧問をやっている」のではなく「これからの日本を支える子を預かっている」と自負してやっております。
立派な大人を世に送り出していきたいですね。

――インカレ優勝と成長を目標に練習と遠征の毎日と仰ってましたが、遠征費・合宿費・それこそ自転車代等かかり大変ではないですか。

はい、現在OB会や大学、スポンサーさんから支援をいただいておりますが、資金は足りていない現状です。
名門の大学に追いつくために練習をしなければならないですが、練習の成果を発表する大会に参加する為にお金がかかり、バイトをするという悪循環に入ってしまい、自身の実力を発揮できず、卒業に至る学生もいます。
一生懸命取り組み、闘うための考えや努力を無駄にしたくありません。実力があれば何回でも出場できる全日本選手権と違い、人生でたった4回しか出場できるチャンスのない‘世界一厳しい大会’で、彼らの努力の花を満開に咲かしてあげたいのです。

――そこでクラウドファンディングのご利用を検討されたと

はい。もちろん前途の通り資金も必要ですが「応援してくれる輪」も広げたいと思い利用することにしました。
「一般の人がインターネットを通じて少額で支援してくださる」という点は、いわばファンクラブ的な要素に近いかなと思います。
正式にファンクラブを運営するとなると管理が難しいのですが、スポチュニティさんのクラウドファンディングを通じて外部からの応援を増やせたら良いなと思いました。
スポチュニティさんは「all or nothing形式」ではなく、目標額に達しなくても、いただいた分だけ支援が届く仕組みになっていますので、応援がしっかり学生に届くと思い利用することにしました。
若者を応援してくれるクラウドファンディングだと思います。

今回支援してくださった方へ、お礼として感謝祭に招待したいと思っております。

スポチュニティ初の大学部活動チームである関西大学自転車部。
インカレ優勝・スポーツを通じて立派な大人にという目標の下、日夜練習に励んでいる。
監督と共に毎週末ハイエースで遠征に出かけレースに挑む彼らを、これからの日本を支える彼らを応戦したい。

 

華岡佑
モットーは「常にチャレンジャーと共に」誰もがチャレンジ出来る場を提供し続けたい。自身もチャレンジし続ける。

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