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「コロナ禍で開いてしまったサポーターとの距離を縮めるために」~町田也真人選手・坂圭祐選手~大分トリニータ選手インタビュー(パート1) 

7月1日からスタートした大分トリニータのクラウドファンディング「All Blue Project」。

新型コロナウイルスの影響を受ける形で2年前に始まったプロジェクトであるが、今回はトリニータのJ1復帰とその後J1で戦い続けるチームになることが目的となっている。

今回は、怪我からの復帰を目指す町田也真人選手と、副キャプテンとしてチームを支える坂圭祐選手の2人に話を聞くことができた。

町田也真人選手「トリニータサポーターは『打たれ強い』」

(ゲーム中の町田選手)

新型コロナウイルスの影響で、当初無観客試合だったり、サポーターが声を出して応援できなかったりと、以前とは異なる状況が続いています。ピッチでプレーしている選手にとっても、サポーターとの距離が開いてしまったと感じることはあったのでしょうか。

町田選手「私が松本山雅FCから大分トリニータに来た2020年に、新型コロナウイルスが流行してしまいました。そのため、トリニータサポーターの方とほとんど直接交流したことがなく、いまだにサポーターの方の顔やお名前がわからない状況が続いています。スタジアムでしか会えないので、それが残念でならないです。でも、最近はサポーターの方も声を出して応援できるようになってきているので、選手にとってもプラスになることは間違いないと思います。」

今回4回目のクラウドファンディングを実施することになりました。過去3回のクラウドファンディングで全て目標額を達成していることは、町田選手もご存知かと思います。このことを耳にされた時、どのようなことを感じたのでしょうか。

町田選手「まず、率直に『ありがたい』そして『すごいな』と思いました。こんなにもたくさんの人が大分トリニータのことを応援してくださっていることがわかり、本当に嬉しかったです。

 クラウドファンディングのお話を受けてから、より一層自分たちの言動に責任を感じるようになりました。もちろん、以前から大分トリニータの選手としてプレーする責任を感じていたのですが、クラウドファンディングによってその責任感がますます強まったように思います。」

今、町田選手は怪我をされていると伺っています。治療やリハビリの進み具合はいかがでしょうか。

町田選手「リハビリは順調に進んでいて、もう練習に合流できるようになりました。あとはコンディションを上げることで、監督のチョイスに入れるように頑張っているところです。ゲームに戻れるまでもう少しだと思います。」

(ゲーム終了後、サポーターに挨拶する町田選手)

町田選手の目から見て、大分トリニータのサポーターはどのような方が多いと感じておられるのでしょうか。

町田選手「大分トリニータって、Jリーグのクラブの中でも、いろいろなことが起こっているクラブだと思うんです。そんな歴史を長い間見てきたサポーターの方たちが多いためだと思うのですが、皆さん本当に『打たれ強い』と言うか、どんなことがあっても熱心に応援してくださるサポーターばかりだと思っています。

 だから、昨年J2降格が決まった時は本当に悔しかったですし、なんとかしてずっとJ1にいるチームにしたいという気持ちを強く持っています。

 そのため、よい結果を残したいとは思うのですが、現状では思うようにゲームで勝てない状況が続いているので、それがとてもはがゆいですね。」

今、町田選手のお話を伺っていて、昨年の天皇杯の決勝戦のことを思い出しました。国立競技場にたくさんのトリニータのサポーターが詰めかけたあの日、どんなことを感じていらっしゃいましたか。

町田選手「あの日入場した時に私の目に入ってきたコレオの光景が忘れられず、本当に大勢のトリニータのサポーターの方が来てくれたんだと感動しました。あの日の光景は、きっと一生忘れることはないでしょうね。」

今回のクラウドファンディングに参加しようかどうか迷っているサポーターの方やファンの方がたくさんいると思います。そうした方々に、町田選手からメッセージをいただけますでしょうか。

町田選手「ご支援いただいた皆様の気持ちに応えられるように、選手はもちろん、チーム全体が日々頑張ることをお約束します。今回の返礼品もユニークなものをたくさん用意しております。どうかご協力よろしくお願いいたします。」

坂圭祐選手「サポーター一人ひとりの顔を憶えられていないことがとても残念」

(ゲーム中の坂選手)

新型コロナウイルスの影響で、サポーターがスタジアムに来られない時期もありましたし、声を出して応援できない時もありました。サポーターの方との交流が少なくなってしまったことを、残念に思っていらっしゃるのではないでしょうか。

坂選手「以前、ファンサービスができていた頃は、サポーターの方の顔を憶えられたのですが、今はそれもできないため、僕自身とても残念です。スタジアムに来てくださっている方の姿も、遠くからでしか認識できませんので。」

ということは、通常でしたら、坂選手はサポーターの方の顔をよく憶えていらっしゃることが多いのでしょうか。

坂選手「はい。私だけではなく、選手のほとんどがそうだと思います。」

現在のところ、トリニータは少し苦しみながらシーズンを戦っているように思われます。こうした苦しい状況の時、副キャプテンとして坂選手は、チームメイトにどのようなことを話していらっしゃるのでしょうか。

坂選手「私自身、他の選手を言葉で励まして引っ張るタイプではないと思っているのですが、特に最近は意識的に話をすることを増やしています。コミュニケーションをたくさん取ってチームが繋がってるような、手を取り合ってプレーできているような感覚になれたら理想です。また若い選手には『自信を持ってプレーしたら、大丈夫』と話すこともあります。」

坂選手から見て、大分トリニータのサポーターの方は、どのような方が多いという印象をお持ちでしょうか。

坂選手「スタジアムでは、ニータン(大分トリニータの公式マスコット)のぬいぐるみのような特徴的なグッズを持って、とても熱心に応援してくださる方が多いように思います。」

(パスを出す坂選手)

最後に、いつも応援してくださっているサポーターの皆さんにメッセージをお願いいたします。また、今回のクラウドファンディングに参加しようかどうか迷っているトリニータのサポーターやファンの方もいると思いますので、そうした方々にも、坂選手からメッセージを送っていただけますでしょうか。

坂選手「正直なところ、現状ではチームとして望まれているような結果を出し切れているわけではないと思います。でも、そうした中でも変わらずに応援してくださるトリニータサポーターの皆さんのご支援・ご声援は本当にありがたいと感じています。

 後半戦は皆さんの思いを受け取り、練習からしっかりと取り組むことで勝利という結果を出さなければならないと、チーム全体で理解しています。チーム一丸となって頑張っていきたいと思います。」

リーグ前半は勝ちきれない試合が続いた大分トリニータではあるが、町田選手のゲーム復帰が間近であることは、間違いなく後半戦においてプラスの要素となるであろう。

また、副キャプテンの坂選手もチームをまとめるために何をすべきかを理解しており、若い選手を積極的に励ましている様子がわかるインタビューとなった。

最大の目標であるJ1復帰に向けて、大分トリニータの戦いはこれからも続くことになる。

(インタビュー・文 對馬由佳理)

(写真提供 大分トリニータ)

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