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ベイスターズ 躍進の起点になったユニフォーム秘話と率先して行っていた”共創”のスポーツ〜第3期 横浜スポーツビジネススクール 第2回編〜

次代のスポーツに必要なのは”共創”

後半では、「スポーツから考えるイノベーション」をグループワークを交えて展開された。講師は上林功(いさお)・追手門学院大学社会学部スポーツスポーツ文化学専攻准教授 / 株式会社スポーツファシリティ研究所代表。

上林氏は、設計事務所に所属していた時に「兵庫県立尼崎スポーツの森水泳場」「広島市民球場(Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島)」などを担当してきた。17年にはベイスターズのファーム施設基本構想にも携わっている。

「スポーツから考えるイノベーションについて登壇した上林功氏

上林氏はワークショップの前に講義を実施。ここでは、今後のスポーツ界に必要なのは”クリエイティビティ”だと語った。その根拠を話した。

「スタジアムを設計している中で、マツダスタジアムでは何が一番良かったかというと、“壁(枠組み)”を取り払ってまち全体に波及効果があったことです」

ベイスターズはこの”枠組みを”超えた創造について、すでに5年以上前から描いていた。

「当初コミュニティボールパーク化構想を出すときに、外野スタンドから抜けて大通りに抜けていくイメージ像を描いていました。スタジアム⇆まちというのを考えた時に、枠組みを取り払ったクリエイティビティ、それもみんなで一緒に創る”共創”が必要になってきます」

上林氏が語ったかつてのスタジアムのイメージ(球団提供)

この”つくる”ことに加え、特にみんなで一緒に行う”共創”という概念は、2010年代の前半から中盤ごろにかけて社会に浸透してきた。この共創が浸透するあたりから率先して行っていたのがベイスターズだと上林氏は語った。

「具体的に何をしたかと言うと、17年に横浜スタジアムの隣に場所を作ったんです。それが『THE BAYS』です。僕も当時参加者だったのですが、南場オーナーらも参加して学生たちとこの場所でワークショップをやっていたんです」

それが同年6月と7月に行われたハッカソン「超☆野球」。様々な技術を活用して、今までの野球を超えた新しい野球を創り出すことを目的に、参加者間でアイデアを出し合い開発するワークショップを開催していた。

技術者や大学生・ベイスターズファン約40名が集まり、現オーナーの南場智子氏や現球団社長の木村洋太氏も参加したイベントだった。

「青く光るデバイスを開発して、持っているファン同士が球場など集まる場所で光が大きくなっていくのはどうだろうというアイデアがあって、『面白い、やりたいですね』と。

たくさんの人が意見を交わしながら、その中でアイデアを作る。これがイノベーションを起こす大切な要素です。とにかくたくさん集めて1つキラ星を見つけるんです」

これらの講義を踏まえ、残りの時間はワークショップで「ボールパークをみんなでどう創り上げていくか」のアイデア出しなどを行っていった。

講義後はワークショップを実施した

上林氏は第1期から講師を務めている。ベイスターズのこれまで行ってきた様々な取り組みについてこう語った。

「野球に限らずプロリーグはたくさんありますが、全部含めてベイスターズの取り組みは最も先進的だと思います。まずどこよりも先に共創スペースをつくり、ファンとともに地域をつくっていく点もそうです。

それをまちづくりへの展開に繋げているのは、全国でもここしかないんです。これからもトップランナーとして頑張っていただきたいと思っています」

ワークショップでも多くのアイデアが生まれ、発表も活気で溢れた。次の回では、「スポーツ×まちづくりから見る、コンテンツの活かし方」をテーマに第3回が開催された。

(つづく)

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