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仙台六大学野球春季リーグ戦がまもなく開幕 東北大、宮城教育大、東北工業大の戦力をチェック~開幕直前展望(後編)

 4月8日、仙台六大学野球春季リーグ戦が開幕する。会場はすべて仙台市の東北福祉大野球場で、仙台大、東北福祉大、東北学院大、東北大、宮城教育大、東北工業大の6校が5月下旬まで熱戦を繰り広げる。今回は開幕を前に、6校の春の戦いを展望。後編では、Aクラス入り(3位以内)を狙う東北大、宮城教育大、東北工業大の注目ポイントを紹介する。

「打倒・2強」で“国立大旋風”起こせるか(東北大)

 昨春32年ぶりに東北福祉大に勝利するなど、実力をつけてきている東北大。主戦を張っていた4年生が抜けたばかりの先発陣が鍵を握る。鈴木得央監督が昨秋のリーグ戦後に先発候補として名前を挙げていたのは、速球を武器とする道下大洋投手(3年=仙台二)、1年次から上位校相手に好投したサイドスロー・佐藤昴投手(2年=仙台一)の右腕二人。道下は今オフ期間中に最速を140キロ台まで伸ばし、佐藤も春に向けアピールを続けてきた。

3月中旬の練習試合で好投した野瀬

 この二人を軸に、宮家凜太朗投手(4年=春日部共栄)、野瀬陸真投手(3年=春日部)らも先発の座を狙う。中継ぎは、昨年救援で安定した投球を見せた阿部哲也投手(3年=国立)、リーグ戦未登板ながら信頼を得始めている西山稜大投手(3年=ダブリンコフマンハイスクール)が中心。投手の枚数が豊富とは言えないが、少数精鋭で相手打線に立ち向かう。

 打線は昨年全試合で4番に座った鈴木杜朗内野手(3年=仙台二)、3割を超える打率を残しベストナインに輝いた中丸宏平外野手(4年=佼成学園)、2年春から正捕手を務める大澤亮捕手(4年=秩父)が引き続き中軸を担う。昨年の主力メンバーが多く卒業した野手陣は各ポジションで熾烈なレギュラー争いを繰り広げており、佐々木颯太捕手(2年=八戸)、志和孝祐内野手(2年=盛岡三)ら下級生の台頭にも期待がかかる。

昨秋は主に5番や6番を打った中丸

 また守備面でも、特に内野陣はメンバーが大きく入れ替わる。旧チームでも新チームでも三塁を守る鈴木杜は3月中旬の取材時、「球際の強さや守備範囲など、昨年のチームと比べるとまだまだ。詰められるところはたくさんある」と話していた。昨年は失策の有無が勝敗に直結する試合が多かっただけに、開幕までにどれだけ連携を深めることができたか注目したい。

選手層の薄さを全員野球でカバーできるか(宮城教育大)

 宮城教育大は6大学の中で最も人数が少なく、昨年は投手陣のやりくりに苦労した。昨秋は柿崎光希投手(3年=新庄北)が2日連続で先発するなど8試合中6試合で先発を務めたほか、状況によっては野手登録の選手がマウンドに上がることもあった。今春は柿崎のみならず、新2年生コンビである速球派右腕・篠村大翔投手(2年=仙台一)、昨秋の新人戦で力投した野口武琉投手(2年=仙台一)にも長いイニングを投げる役割が求められる。

1年次からリーグ戦のマウンドを踏んだ篠村

 野手陣も攻守の要だった大川口遥士捕手(現・高知ファイティングドッグス)、打線を引っ張った三浦豊内野手(現・埼玉武蔵ヒートベアーズ)らが卒業し、どんな新打線が組まれるか気になるところ。昨年は春秋ともに得点数がリーグワーストで、特に秋は開幕から4試合連続無得点と苦戦を強いられた。得点力の向上はチームの浮上に不可欠だ。

 正捕手候補には、昨年は一塁手や指名打者としての出場が主だったものの捕手としての経験も豊富な朝倉優大捕手(4年=東北学院)、昨秋の最終節で1年生ながらマスクをかぶった金澤朋也捕手(2年=盛岡一)が挙がる。主将の菅原聖人外野手(4年=東北学院)や昨秋高打率をマークした渡辺隆太郎内野手(3年=水戸啓明)はバットで勝利に貢献したい。

屈辱の秋から一冬越え、変化と進化に注目(東北工業大)

 東北工業大は昨秋、11試合中4試合で二桁失点を喫するなど投手陣が苦しんだ。ただ枚数はそろっており、左右のバランスも抜群。左は140キロ前後の直球を持つ後藤佑輔投手(3年=仙台育英)を筆頭に、熊谷蓮投手(2年=東陵)、鎌田健太郎投手(3年=仙台)らも高いポテンシャルを誇る。右では抑え起用が予想される伊藤理壱投手(2年=仙台城南)、先発も中継ぎもできる佐藤大拓投手(2年=仙台)をはじめ、佐々木統瑚投手(2年=泉松陵)ら今後登板機会を増やしそうな逸材も並んでいる。

 野手陣も昨秋は1試合平均1.63点と本領を発揮できなかった。そんな中、右のスラッガー・佐久間永翔内野手(2年=白石工)は1年生ながら全試合で4番に座り、左右に2本塁打を放った。今春も打線の核となりそうだ。主将の菅原仁平内野手(4年=仙台商)や昨秋チーム最高打率の菅原蓮内野手(4年=仙台商)は新チームでも頼りになる存在。春と比べて打率が低迷した難波龍世内野手(3年=仙台育英)、檜森雄太内野手(3年=仙台育英)の再起にも期待したい。

昨秋の新人戦で本塁打を放ち生還する佐久間(中央)

 新チームからは元巨人の荻原満氏がヘッドコーチとして加わり、投手陣を中心にチームの底上げを図ってきた。3月中旬の取材時、荻原コーチは「選手たちの野球に取り組む姿勢が大きく変わり、秋とは全く違うチームになっている」と手応えを口にしている。生まれ変わった東北工業大の野球が楽しみだ。

(取材・文・写真 川浪康太郎)

読売新聞記者を経て2022年春からフリーに転身。東北のアマチュア野球を中心に取材している。福岡出身仙台在住。

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