Y.S.C.C.横浜フットサル 「2022 Fの頂!プロジェクト」開始!渡邉GMが語る”人気・実力ともにナンバーワン”のクラブへの道
9月14日、Y.S.C.C.横浜フットサルは記者会見を開き発表を行った。
松井大輔、ピエリアン・アウン両選手の入団会見であった。
これまで日本サッカー界を代表する選手として世界を渡り歩いてきた松井選手の入団は、トップニュースとして各メディアで大きく報じられた。
ピエリアン・アウンは今年のミャンマー代表のGKに招集されていた。こちらもナショナルクラスのサッカー選手が加わる。
また、それと同時にクラウドファンディング「2022 Fの頂!プロジェクト」を開始した。
なぜこのような活動をするに至ったか。その背景などをクラブのゼネラルマネジャー(GM)である渡邉瞬 氏に伺った。(以降、敬称略)
「リーグチャンピオンを5年で達成する」
Y.S.C.C.横浜フットサルは日本フットサルリーグ(Fリーグ)1部に所属。2017年末に同リーグ加盟が承認され、2018−2019シーズンから参戦している。(参入当初は2部)
初年度から2位と1部昇格を争い、参入2年目の2019−2020シーズンには早くも2部優勝し、1部昇格を果たす。2020−2021シーズンの1部初年度で12チーム中11位と残留争いになりながらも1部を守り、現在は順位を上げ4位と優勝争いを繰り広げようとしている。
そんな中、14日からクラブはクラウドファンディングを実施している。
これは、Fリーグに参戦した時から掲げていた大きな目標を達成するために行うものだった。渡邉GMは実施に至った背景を話す。
「2017年末にリーグ参入が決まった時から、『リーグチャンピオンを5年で達成しよう』と。それが2022年。”チャンピオンになる”というのは、ただ順位が1位になるのではなく人気・実力ともNo1のクラブになるという目標を掲げて入りました」
外国人選手獲得とトレーニング施設を運営
来シーズンその目標を達成するための基盤を強化するために行う「2022 Fの頂!プロジェクト」。
ここでのミッションは「外国人選手の獲得」と「クラブが運営するトレーニングジムの開設」の2つ。
まず、外国人選手獲得ついて渡邉GMはその意図を話す。
「昨今のFリーグの優勝争いを見ると、特に南米の選手が必要不可欠だと感じています。やはり(南米の選手が)いるクラブが上位に入っている。そういうこと点から、やはり外国人選手の補強というのは短期的強化の視点で行いたいのが1つです」
現在、クラブには外国人選手は0。(田淵 ラファエル 広史はブラジル出身だが日本国籍)。高い技術と豊富な経験をもち、コート上でチームの核となれる選手の獲得を進めたいという構想を抱いている。
そして、2つ目についてこう続けた。
「もう1つは、フィジカル面を強化したいと考えています。Y.S.C.C.に在籍する若い選手は、今後Fリーグだけではなく、日本代表になって海外のチームと戦って勝つためにもフィジカル面の強化がとても重要です。持続的なチーム強化を自前でできるようにしたいです」
現在、選手たちはクラブのオフィシャルパートナーとして提携しているパーソナルジム「リアルワークアウト」を利用している。ただ、選手たちが使える時間は一般利用客がいない時間帯のみ。
年中無休で選手が自由にトレーニングできるようにするため、リアルワークアウト協力の下、市内にパーソナルジムを立ち上げたいと考えている。
選手自身がトレーナーしても活動し運営に関わるとともに、一般客も利用可能なジムにすることで、地域とより密着した活動にもつながる。
全員が”ワクワクする” 松井大輔選手の獲得
チームの強化という面では、9月14日にフットサル界そしてサッカー界を揺るがすビッグニュースが飛び込んできた。
それはサッカー元日本代表 松井大輔の獲得である。
松井は6カ国12クラブを渡り歩き、日本代表としても2004年のアテネ五輪・2010年の南アフリカW杯を戦うなど、言わずと知れた日本のトッププレイヤーとして世界で活躍してきた選手である。
なぜ、松井を獲得するに至ったのかを渡邉に問うた。
「素直に松井選手のプレーを我々も見たいからです。サッカー選手でしたら松井選手のようにテクニックが使える選手。かつ華のある選手をコートで見てみたい。今フットサル界の人気が下降線をたどっていると個人的には感じています。そんな中でスター性のある選手が入ってくることで注目が向いてくると期待しています」
実際決まった時に心境を聞くと「本当にプレーするのかと。全く想像ができない(笑)」と嬉しさを隠さなかった。
日本サッカー界を代表するプレイヤーの入団は、プレーにとどまらない様々ないい影響が広がると期待している。
「海外でずっと戦ってきた選手なので、そういう経験を選手たちに伝えていってもらいたいです。あと、リクルーティング面においてもサッカー選手により声をかけやすくなるのではないかと。サッカー選手がフットサルに転向することがポジティブイメージとしても作用してくれれば非常に有意義な取り組みになるんじゃないかと思います」
松井も別で伺ったインタビューで「自分も楽しみです。フットサルでもテクニックを活かしながら、子どもの時に戻ったようなワクワクする感覚を得られるんじゃないかなとも思っています」
と語っており、クラブ・選手・サポーターみんなが”ワクワクする”。そんな挑戦が始まろうとしている。
選手とファンを繋ぐ「個人スポンサー」制度
Y.S.C.C.はチーム名に冠している通り、横浜をホームタウンとして活動している。横浜は日本でトップクラスのスポーツが盛んな地域である。
野球、サッカー、バスケなど多くのプロスポーツが拠点に置き地域を盛り上げている。とりわけサッカーはJ1に2チームありY.S.C.C.はサッカーも運営しておりJ3に所属しているなど3チームが存在している。
生まれも育ちも横浜という渡邉はスポーツチームが多いからこそ大変だと語る。
「スポーツ熱は高いですが、その中でフットサルという競技の存在をどれだけ見せられるかは、相当頑張らないといけないなと思います」
コロナ禍になり、昨年は全て無観客。今季は有観客を再開したものの、人数やイベントなど制限は続いたまま。それでもサポーターに応援してもらうことを続けるため、ユニークな応援企画を行っている。
それは選手個人を応援する「選手スポンサー」。応援したい選手に対して1口1万円から支援することができ、練習着に支援者の名前などを入れることができる。
こういった活動を通じて選手と繋がりを近く感じてもらえればと思っています」
「選手たちが直接『お金をいただいて応援してもらう』という事実が、より責任感を与えますし、『ファンを大事にすること』『人との繋がりは大事なこと』と実感してもらえる機会になります。この取り組みを通じて選手たちも精神的にもっと成長してほしいです」
2022年の先、「日本のフットサルをもっと強く」
2021年は”圧倒的成長”というスローガンを掲げ、若い選手たちが力をつけている。
そして、来年のFリーグ制覇のために松井、ピエリアン・アウンという2つの強力なピースが加わった。
9月14日に始まったクラウドファンディングでは、公式サイトやSNSで大々的に告知がされ、松井からのビデオメッセージが配信されるなど早くも盛り上がりを見せている。
渡邉は支援者に向けてメッセージを贈った。
「2017年にFリーグ参入が決まってから、『2022年に人気・実力ともにナンバーワンのクラブになる』という目標を持って取り組んできました。今は山で言えば7合目まで来ていると実感しています。共に頂へと登るべく、皆さまのご支援を賜りたいです」
ただ、クラブは2022年が最終ゴールではない。通過点として通った先にはどんなビジョンを描いているのか。渡邉はこう述べた。
「若い選手が育ってきているので、23年以降はスペインやイタリアなど、海外挑戦を後押ししていきます。彼らが活躍することで日本のフットサルが強くなる道筋を我々が作っていきたい。若い選手を育てられるという自信はあるので、引き続きサッカー界からも選手を獲得し、競技レベルの高い選手をどんどん輩出していきたいです。」
フットサル界に大きな旋風を巻き起こしたY.S.C.C.。今年シーズンの”圧倒的成長”が2022年の目標達成、その先の日本フットサル界の発展に向けた礎となっていく。
(取材 / 文:白石怜平)